「親に認められたい」完璧主義が裏目に出る人生 仕事も人間関係も―「親の支配下」という恐怖

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1 できなくてOK――「不完全でいる」自由
2 自分の本心からの考えや感情を抱く自由
3 つながりを断つ自由
4 人に尽くさない、人の都合に合わせない自由
5 自分を大切にする自由
6 他人に共感しすぎない自由
7 自分のために行動する自由
8 自分を表現する自由
9 “しみついたパターン”に戻らない自由

すべてを実践できなくてもいいのです。人間関係や仕事で問題にぶつかったとき、頭の片隅に置いておくだけでも、楽になるのではないでしょうか。

たとえば「完璧にしなければ」と頭の声がするとき、そう思うことで自分を励まし、良いパフォーマンスを発揮できているのであれば問題はありません。ですが、完璧さを追求することで苦しくなっているのなら、その完璧主義は、親のもとで発達させた、傷つかないための生存戦略かもしれません。

相談者さんが「自分の完璧主義が苦しい」とおっしゃる場合、カウンセリングでは完璧主義を良い・悪いと判断せず、寄り添っていきます。「そうなんだね、完璧にしなきゃって思うんだね」と受け止めていくのです。その上で「完璧にしないとどうなると思っているんだろう? 何を心配しているのかな」と問いかけていきます。

完璧でないとまわりに見捨てられる

ある人は「完璧にできないと、まわりの人に見捨てられる気がします」と言うかもしれません。完璧さによって居場所を確保してきたのであれば、手を抜くと居場所がなくなる気がして、ひどく怖いのです。

こうした内なる声に気づき、相談者さん自身が「そう思ってたんだな」と受け止めることで、強固だった生存戦略が少しずつほどけていきます。

長年使ってきた生存戦略を手放し、「9つの自由」を手にするのは簡単なことではないでしょう。

「親に認められたい」という気持ちが大きい場合、親との心理的な距離をとる必要がありますが、育ててもらった恩返しをしなければならない、親も歳をとってきたし、親が元気なうちに良い関係を築きたい……と、さまざまな捨てきれない思いが浮かんで、つい自分から親に会いに行ってしまうかもしれません。

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