「夏から半年間、1日10時間の勉強をしました。灘中学校に入る前の次くらいは勉強したと思います。その結果、神戸大学の医学部でB判定が出て、センター試験でも94%取れました。この成績を受けてどこに出願するかを考えたのですが、地盤などを考えた結果、医師をやっている父親の地元に戻ったほうがいいと考えて、香川大学に出願しました」
併願で受けた大阪医科大学(現・大阪医科薬科大学)の特待生合格という結果を受けて自信をつけたリプトンの人さんは、こうして前期試験で香川大学医学部に合格しました。
「長い間フラフラしてしまいましたが、ようやく親を安心させることができました。よかったなと思います」
高校卒業から合計7年間の浪人生活に終止符を打ったリプトンの人さん。
浪人してよかったことを聞いたところ、「勉強以外の学びがたくさんあったこと」だそうです。
ゲーセンでの友達作りが今に生きている
「私はずっと浪人時代にゲームセンターに通っていましたが、そこで出会った友達が人生を豊かにしてくれました。ゲーセンにはいろんなタイプの人がいます。灘中学校や高校に来る人や、そこから大学に入って会う人はお金持ちの息子が多いのですが、患者さんはそうではありません。ゲーセンと同じようにさまざまな背景を持つ方がいます。
そうした方々の状況を理解したうえでコミュニケーションを取っていかなければなりません。当時ゲーセンで友達を作ったことが、今の仕事を円滑に進めるうえでとても役に立っていますね。ストレートで大学に進学していたら一生深く交流できなかった方々とつながれたことが、人間としての幅を広げてくれました」
また、自分が頑張れた理由に関しては「必要なことにお金を惜しまない親だったから、生きるのに困らなかった」こと、浪人生活で志望校に落ちた経験は、行動面・精神面での自信につながったそうで「人に優しくなれた」とも話してくれました。
「自分は中学までは頭がいいと思っていました。でも、挫折を経験して、そうした鼻についた感じがなくなって謙虚になれたと思います」
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