工場で「過酷労働と暴言」8浪の彼が感じた恐怖心 いじめや引きこもり、彼の壮絶な人生に迫る

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写真はイメージです(写真:nkooume / PIXTA)
浪人という選択を取る人が20年前と比べて2分の1になっている現在。「浪人してでも、志望する大学に行きたい」という人が減っている一方で、浪人生活を経験したことで、人生が変わった人もいます。自身も9年の浪人生活を経て早稲田大学に合格した濱井正吾さんが、さまざまな浪人経験者にインタビューをし、その道を選んでよかったこと・頑張れた理由などを追求していきます。今回は引きこもりを経験し、21歳で大学受験を始めて法政大学に入学後、編入試験を受け続け、工場で働きながら、8年目に神戸大学に合格。現在一橋大学大学院に通うこっしーさんにお話を伺いました。

「自分は才能がない」

みなさんはこう考えてしまったことはありませんか。

何かに打ち込む中で、自分より上の存在を知り、打ちひしがれた経験がある人は多いと思います。今回お話を聞いたこっしーさんも、「自分は頭が悪い」と思い込み、「勉強の才能がない」と悩んだ方でした。

中学時代の定期考査は1桁の点数も珍しくなく、高校時代には引きこもりになり、21歳で初めて受けた模試の偏差値は42程度でした。

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それでも、血のにじむような努力を続け、8浪相当で神戸大学の法学部に入学。現在一橋大学の大学院で研究に励んでいます。

どうして、諦めずに勉強を続けることができたのでしょうか。その真相に迫っていきます。

大卒者がいない親族、漢字が書けない親戚も

こっしーさんは神奈川県横須賀市に、高校卒業後から海上自衛官として働く父親と、中卒で専業主婦の母親のもとに生まれました。

「母の叔父が唯一大学の夜間に行っていただけで、ほかは親戚に大卒者がいませんでした。漢字を書けない親族もいましたね」

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