3年連続「入試中に体調不良」京大目指す彼の悲劇 大事な時期にアクシデント、どう乗り越えるか

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もごさんが生まれた大阪の生野区は、経済的に困窮している人が多く、盗み・万引きなども珍しくない地域だったそうです。小学校も治安が悪く、喧嘩に弱かった彼はいじめの対象になってしまいましたが、それを救ってくれたのが父親の存在でした。

「『今は運動ができる人がクラスの中心人物だけど、大人になるにつれて勉強ができることが価値基準になる』と父に教えてもらいました。だから、小学校の中で圧倒的に賢くなれば、いじめもなくなるし、いじめがあるような中高に行かなくてすむと思い勉強をしました」

もごさんは小学校3〜4年生から中学受験の予備校・日能研に通い、猛勉強を始めます。4年生後半から国語・算数・理科といった主要科目で彼に勝てる人がいなくなり、その甲斐あって、5年生あたりになると周囲に馬鹿にされなくなったそうです。

中学受験で体調不良に…

それからも懸命に勉強を続けたもごさんは、中学受験で奈良の名門、東大寺学園を受験します。しかし、試験中に体調不良に陥ってしまい、数点差で落ちてしまいました。併願した大阪星光学院と帝塚山学園には合格したものの、この結果を受けて、早くも彼は将来を悲観することになります。

「成功体験を得られなかったことが、今後の自分の人生に影を落とすと思いました。だから、次の大学受験で何としても自分の決めたことを成し遂げないと、妥協に妥協を重ねる人生になると思いました」

そんなもごさんを手厚く支援したのは、やはり頼りになる彼の父親でした。もごさんが小学5年生のとき、父はなんとかして息子のために目標に向かえる環境を用意してあげたいと思い、職場で大学受験に関する情報をかき集めました。その中で、職場の東大卒の社長には弟がいて、その息子が兵庫県屈指の難関校・甲陽学院に通い、鉄緑会という予備校に通っていたことを知りました。

「学校はお前の人生に責任とれんけど、俺が責任とってやるから安心しろ」という父親の後押しのもと、もごさんは中学1年生で鉄緑会に入ることになります。

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