3年連続「入試中に体調不良」京大目指す彼の悲劇 大事な時期にアクシデント、どう乗り越えるか

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「また試験前に病気になりました。38度の熱が出てその状態で2次試験を受けて、2~3点足りなくて落ちてしまいました。後期試験も受かったところに行こうかなと少し気持ちが揺れて千葉大学医学部を受けたのですが、面接の最後の質問で『京大医学部に未練がある?』って聞かれたとき、『ないです』と言えばよかったのに言えなくて、涙が止まらなくなったんです。それで落ちてしまいました」

こうして2浪に突入したもごさん。

「家族も疲弊していました。予備校の先生には『神様に嫌われている浪人生』と言われていましたね。最初のほうは、自分が落ちた理由が体調だけだと思っていたので、モチベーションが保てませんでした」

普通ならめげそうな状況の中、立て直してがんばれた理由を聞いたところ、成功体験を得るためという思いと、「自分よりすごい人がまだいる」と思えたことが大きかったそうです。

「年下の現役生や1浪生でも、自分より成績がいい人が世の中にいることが自分を奮い立たせました。模試で数学が全国2位でも『東大理III志望の人に負けてる!』とか、『国語が100点じゃないからまだやれる!』と課題を設定できたことが大きかったです。自分よりすごい人に憧れたり抜かそうとしたりしたのが、結果的に頑張れるモチベーションにつながりました」

2浪目は本番まで集中力を持たせるように1時間勉強したら10分散歩するといった習慣も取り入れ調整をしていたもごさん。センター試験でも96%と文句なしの数字をとって、今年こそは合格を決めようと思っていました。

ふたたびの高熱に襲われる

しかし、ふたたび彼は2次試験本番で39度の高熱に襲われます。

それまで病気で失敗をしてきた彼は、本番でのアクシデントを想定していました。

「体調を考えて短期決戦にしようと思ったんです。例えば、120分ある数学では、問題を30分ですべて解いて寝ました。浪人の期間でいろんな引き出しを作ったことが生きたんです。その結果、数学は満点でしたし、合格最低点からも100点以上上回っての合格でした

こうして彼は、生涯の自信となる成功体験を得ることができたのです。

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