ダメ上司は「会議10分遅刻」の損失を知らなすぎる 不毛な10分を参加者に強制的に撒き散らしている

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余談ですが、私は会社員時代、経理や人事関連の書類提出の締切を、いきおい遵守するようにしていました。

というのは、会社員の傍ら、ネットに原稿を書いたり、テレビやラジオに出演したりする時点で、いい意味でも悪い意味でも、社内から目を付けられています。「悪い意味」というのは、「あいつチャラチャラしやがって、会社員として、ちゃんと仕事してるのか?」という、ある種やっかみの視線です。

その視線は、揚げ足取りに直結します。「ほら見ろ、やっぱあいつダメ社員じゃん!」と言いたい、言いたくてしょうがない連中が、自分の背後に何人か隠れていると思い続けていました。

そういう連中に、分かりやすく揚げ足を取られるのが、事務的作業におけるミスです。とりわけ書類提出の締切破りなんて、こんなに分かりやすいミスはない。

逆に、そういうのをビチッと守れば、経理や人事方面から「あいつ、チャラチャラしてるけど、案外ちゃんと仕事してるのね」というシンパシーを得られたりもするのです。

企業の中における、経理や人事関連の書類の作成や提出なんて、当時は、とても面倒くさいと思っていたものですが、フリーランスになって思うのは「今から考えれば、あんなの、オートマティックで楽だったなぁ」ということです。

妙な言い方ですが、フォーマットやプロセスが、とても洗練されているのです。何千回何万回と繰り返される中で、「無駄なく・無理なく」研ぎ澄まされてきたのでしょう(逆にいうとフリーランスは、アナログ・アナクロな書類作成に忙殺されます)。だからあまり億劫に思わず、かつ揚げ足を取られないように、朝一番に粛々と進めるのがおすすめです。

「毒見」と「突然仕事」

あと午前中には、溜まっている案件すべてに少しずつ手を付けておくのがよいでしょう。これを私は「毒見」と呼んでいました。狙いは何かというと、それぞれのボリュームを、早めに把握しておくということです。

「あの仕事、まだ手を付けていないけど、どれくらいの重さなんだろう? 締切はいつなんだろう?」──そんな思いが積もり積もると、とても不安になるものです。だから、早めの「毒見」でボリュームをつかんでおいて、午後の仕事の流れをプログラムするべきなのです。

あとこれは、午前・午後というより、もっと前提の話になりますが、「自分の脳が元気に仕事できる連続耐用時間」を知っておいた方がいいですね。私の場合はどうも45分くらいで、これを超えると、途端に効率が悪くなるのを体感的に理解していました。

ということは45分を1コマとして、それぞれのコマで何をするかを、プログラムすればいいということになります。

次ページ「突然仕事」でもあきらめず、午後の使い方を工夫する
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