たった1カ月で「新入社員」半分退職まさかの原因 「採用コスト」は例年の5倍かけたのになぜ?

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新入社員の半分が、1カ月も経たずに退職してしまった会社がある。なぜ、そんなことが起こったのか(写真:mits/PIXTA)

たった1カ月で新入社員の半分が辞めてしまうとは……。

今回は、ある会社が「働きがい」のある職場を目指した結果、新入社員の半分が辞めてしまった事例を紹介する。

昨今、突如として「働きがい」という言葉を使って採用活動に励む会社が増えている。会社に興味を持ち応募する人が多くなるからだろう。しかし、気をつけたほうがいい。言葉を正しく理解していないと、採用の努力が無駄になることがある。

AI時代になり、ますます「働きがい」を誤解して使ってはならないと強く感じるようになった。特に採用活動の責任者、新入社員を引き受ける職場の責任者は、まだ働いていない若者を勘違いさせないためにも、この会社の失敗から学んでもらいたいと思う。

新入社員の半分が1カ月で退職!大失敗の原因

新入社員8人のうち4人が、たった1カ月で辞めた会社がある。

なぜ、そんなことが起こったのか? 背後には、将来の幹部候補を求める社長の強い要望があった。

通常は年間2~3人の採用をしていた。だが、社長の命令で例年の5倍の採用コストと1年間の入念な準備を経て、例年より多くの新卒を採用しようとした。

結果、8人の優秀な新入社員が入社した。当初、社長は手放しで喜んだ。入社したあと、採用した新入社員8人と食事をしたとき、「8人みんな優秀だ。1年間がんばったかいがあった」と誇らしげに語っていた。

しかし、そのうちの4人が1カ月も経たずに退職してしまったのだ。残った新入社員のうち、2人も辞めたいと考えているという。社長は激怒した。例年の5倍もの採用コストをかけてなぜ辞めてしまったのか。いったい何が原因でここまでの大失敗となったのだろうか?

採用責任者は、新入社員が辞めた理由を調査するために、配属された職場の上長やベテラン社員にヒアリングを行った。

すると、どの職場でも見解は同じだった。

「今年の新入社員は、ストレス耐性が低い」

「やるべきことをやる前から、働きがいとか、心理的安全性とか、イチイチ言ってくる」

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