知らず知らずに「部下をつぶしている」上司の言動 自分の考えや感情を押し付けていないか

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
知らないうちに部下を追い詰めていませんか?(写真:kouta/PIXTA)

部下育成は上司の大切な仕事の1つだが、無神経な上司に「育成」される羽目になった部下はたまらない。他人の気持ちに気づけない上司には、どう対処すればよいのか。『平気で他人をいじめる大人たち』を上梓したカウンセラーの見波利幸氏が、自身がカウンセリングで接した事例を語り、対処法をアドバイスする。

やたらに本を貸してくる上司

某社のある部署に久々に新入社員が入ってきました。Bさんとしましょう。上司は久々の新人ということもあって、Bさんを一から育てようとやる気満々だったそうです。そしてBさんに「この本、業務のためになるから読んでおきなよ」「この本もためになるぞ」「これは早く読んでおいた方がいいよ」と、毎日のようにBさんに本を渡していました。

そうしてひと月ほどもたつと、Bさんの机の上は上司から渡された本が山積みになりました。とてもすべてに目を通すことはできません。Bさんにも、業務のことをもっと知りたいし、ビジネスについてもっと勉強したいという気持ちは重々あったのです。

しかし、就業時間中にのんびりと本を読んでいる暇はありません。読むとしたら、就業時間外しかないのですが、入社したてのBさんにとっては会社の仕事を覚えるだけで精一杯。家に帰ったら、疲労困憊で本を読むどころではありませんでした。

そんなある日、上司はBさんの机に積んである本を見るなりしっ責し始めました。「お前、なんだこれは。俺への当てつけか!」「嫌がらせで俺が渡した本を積みっぱなしにしているのか!」と大変な怒りようです。Bさんには上司を怒らせるつもりなんてありませんから、ただただ困惑するばかりでした。

次ページ上司の視点とBさんの視点の違い
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事