企画書作りは文字要素が7割
企画書というものが、ビジネスの現場でこれほど多用され、これほどメジャーな存在になったことは、かつてなかったことだと思います。さらに言えば、企画書の体裁がこれほどまでに統一されたのも、近年のことなのです。
パワーポイント(パワポ)に、文字だけじゃなく、グラフや画像、たまには映像まで貼り込まれた、何十メガバイトもする、色鮮やかできらびやかなドキュメント──。
平成初期ぐらいまでは、こんな奇妙なドキュメントを作るのは、広告会社くらいのものでした。その頃はまだ、ドキュメントをPCからスクリーンや巨大モニターに投影することも一般化していなかったので、得意先に配布するときは、高額のカラー印刷代を払って、透明ビニールの表紙を付けて、製本して、と大騒ぎでした。
しかし、パワポというプレゼンテーションソフトがビジネス標準となり、軽量で安価なノートPCやプロジェクターがあっという間に普及したことで、それまでバラバラだった「企画書」像が、先述のようなリッチな体裁に統一されていったのです。
オフィスを舞台としたドラマで、イケメン俳優が、大スクリーンを前にパワポを投影しながら、意気揚々とプレゼンするシーンを見て、広告会社出身のオジサンは、「ああ、こういう企画書、こういうプレゼンが普通な世の中になったんだなぁ」という感慨にふけるのですが。
企画書の体裁がリッチになったということは、企画書を書く、いや作るのが大変になったということです。文字を埋めて、グラフを作って、画像を入手して……「登場人物」が多いから作るのも大変。深夜までかかって、画面の中のバラバラな登場人物と格闘している人も多いでしょう。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら