企画書が苦手な人はたった1つの極意を知らない 華美なパワポを作ることが目的になっていない?

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大切なことを言います。

「企画書は文字」なんです。絶対に。

リッチな体裁が普通になってから入社した人は、このあたりを理解していない。だから、バラバラな登場人物を前に混乱してしまう。

逆に、パワポが無かった頃のビジネス現場の経験があり、例えばA4縦の文字だけのドキュメントでプレゼンしたことが何度もある私などは、「企画書は文字」「とりあえず文字さえあればプレゼンが出来る」ということを体感的に理解しています(もっと言えば、ドキュメントなしの口頭プレゼンなども、何度も経験しています)。

最初に「文字要素」だけを固めること

だから、企画書作りの鉄則は、まず最初に、文字要素だけを固めることなのです。

具体的に言えば、私の場合はまず、ウィンドウズPCに入っている「メモ帳」というソフトで、企画書に埋め込む文字をひたすら書いていきます。企画書を「作る」ことを、企画書を「書く」ことから始めるのです。

文字を書くときに使うのは、パワポと同じマイクロソフト社のワードだろうという人が多いと思いますが、ワードは、余計な機能が多く、文字列をきれいに見せるのには適していますが、文字列そのものを埋めていくのには向いていない。

逆に「メモ帳」は、文字列の検討だけに特化した、実にいさぎよいソフトで、今でこそフォントや級数を指定できますが、昔はそれすら出来なかったという、あれこれ考えがちな、落ち着きのないビジネスマンを、書くことだけに集中させる、実にありがたいソフトなのです(ちなみに私は、企画書だけでなく、例えばこのような書籍用原稿も、すべて「メモ帳」で書いています)。

文字要素だけを固めることの利点は、まず、企画書の流れ、論理の構成をちゃんと考えることが出来るということです。論理とは、つまりは文章の組み合わせです。文章を読んでいてつじつまが合わない箇所は、パワポ化すると、さらに論理破綻していきます。

だから、とにかく上から読んでいって、スムーズに論理が流れるよう、文字要素をしっかり固める。それが出来たら、企画書はもう7割方、完成したも同然なのです。

それが証拠に、利点のふたつ目。文字要素が完成したら、極端な話、プレゼン日が突然早まっても、プレゼン自体は何とか出来ます。だって、肝心の骨組みはもう完成しているのですから。

最近は、リッチで華美なパワポを作ること自体が目的化しているような気がします。そのせいで、多くの会社員が、実は不要で不毛な作業に時間を投下し過ぎている気もするのです。

的確なデータや美しい画像をパワポに貼り付けるのは楽しい。何百冊、いや千冊は超えているはずの企画書を量産してきた身として、重々理解しています。

ただ、物事には順序があります。とにかく文字、まずは「メモ帳」。これが「無駄なく・無理なく・機嫌よく」(MMK)な企画書作りの鉄則です(と、ここまで書いて、私は今「メモ帳」を保存しました)。

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