企画書が苦手な人はたった1つの極意を知らない 華美なパワポを作ることが目的になっていない?

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企画書の作り方を考える上で、その内容物である「企画」の作り方を考えてみたいと思います。具体的にここでは、企画のプリミティブな種としての「アイデア」について考えてみましょう。

「明日の打合せまでに、面白いアイデアを考えてくるように」

全部足し上げれば、日本のさまざまな会社において1日あたり数万回ほど、このような指令が飛んでいることでしょう。事業戦略に関するアイデアから、宴会の余興に関するアイデアまで。つまりアイデアは、会社における血液のようなものなのです。

私は、こういうお題、大好きでした。のちに評論家なんて仕事をするくらいですから、何か考えたことを発表するのが性に合う。具体的に言えば「みなさん、私、めっちゃオモロいこと考えましたよ。これこれこうで。ねっ、オモロいでしょー?」みたいなことを考えて話すことが、我が人生の目的のような気さえしています。

というわけで、若い頃から、先のような上司の指令に対しては、かなり力を入れて取り組んだものです。

しかし、です。これがなかなか難しい。キャッチコピーでもイベント企画でも何でも、5つ6つくらいの冴えたアイデアは、すぐに思い付くのですが、そこで止まっちゃうのです。

あ、ここで原則論を言いますと、いいアイデア作りと数多いアイデア作りは同義です。もちろん、最高のアイデアをひとつだけ考えて、それが採用されるという仙人みたいな人もいるかもしれませんが、実際のところは、みんなで山ほどアイデアを考えて、でも、その多くが捨てられた結果、最後に、最高のアイデアだけが生き残るというプロセスになっています。
つまり、アイデアの量が質を規定する。これ、大原則論。

「ひろげ」と「ぶつけ」の鈴木メソッド

さて、広告会社では、「アイデアを100個考えてこい」という、ごむたいな指令がよく飛びます。多分にスパルタ的、根性論的に聞こえますが、視点を変えれば、違う方向性のアイデアをいくつも量産する訓練だと言えます。

つまり、同一方向で5つ6つのいいアイデアが出たら、それとはまったく違う方向性を発見して、そこで5つ6つ、さらにはまた違う方向性で……という、柔軟な発想の仕方をするための訓練なのです。

果たして、そんなこと出来るのか? はい、出来ます! 私が体系化した「鈴木メソッド」を使えば……。

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