企画書が苦手な人はたった1つの極意を知らない 華美なパワポを作ることが目的になっていない?

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「鈴木メソッド」は、会社員当時、私が社内外の研修で使っていた発想法です。実際のところは、私がゼロから作ったのではなく、世の中に流布している様々な「アイデア発想法」を、簡単なかたちで取りまとめたものに過ぎないのですが。

では、早速ご説明しましょう。

「鈴木メソッド」は、「ひろげ」と「ぶつけ」で構成されます。

「ひろげ」は、アイデア作りのテーマ(お題)の近接概念に世界観を広げる、言わばアイデアの「的(まと)」を広げることです。

例えば、後述する「画期的な洗濯ばさみのアイデア作り」の場合、「洗濯ばさみ」というテーマを中心に「的」を広げる。コツとして、「ひろげ」るときには、形容詞を多用するのが効果的なようです(形容詞は頭を柔軟に、感覚的にします)。

・「洗濯ばさみ」→(洗濯と言えば)「白い」→(白いと言えば)「雪」

という具合ですね。これによって「洗濯ばさみのアイデア作り」というピンポイントで狭いテーマではなく、「白い」や「雪」という近接概念を含めた広い「的」からもアイデアを発想できることになる。

テーマと関係のない事象を脳の中に放り込む「ぶつけ」

次に、こちらの方がより重要なのですが、「ぶつけ」です。これはいわゆる「強制発想法」と言われるもので、テーマにまったく関係のない事象を脳の中に放り込んで、テーマとその事象の異種配合によって、無理やりアイデアを紡ぎ出すことです。

例えば、机の上に散らばっている写真と「ぶつけ」て、無理やりコピーを考えるとか、新聞に載っている記事と「ぶつけ」て、無理やりイベント企画を考えるとか、よくやりましたよ。

後述する「画期的な洗濯ばさみ」の例の場合、「長嶋茂雄」など、突然、何の脈絡もない野球選手が登場しますが、これも「ぶつけ」。野球選手にしているのに他意はないのですが、そもそも「ぶつけ」ということ自体、脳に一定のストレスをかけるものなので、できるだけ自分の趣味に近い事象と「ぶつけ」る方が、ストレスが減ると、経験的に思うのです。

次ページ鈴木メソッドの実例はこちら
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