ダメ上司は「会議10分遅刻」の損失を知らなすぎる 不毛な10分を参加者に強制的に撒き散らしている

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さすがに今は、そんなポンコツな会議は減っていると思います(そう信じたい)。少なくとも私が勤めていた会社では、事実、私が退職する寸前には、かなり減ってきていました。というか、そんなポンコツ会議の排除に、私自身も少なからず貢献したと自負しているのですが。

このようなネガティブ版「5×10の法則」を、まずは参加者に周知徹底しておくことが大事だと思います。

ですが、さらに重要かつ本質的なのは、ポジティブ版「5×10の法則」です。

これは、会議のテーマに関して、たった10分でもいいから、時間をかけて参加者が何かアイデアを考えてくる。できれば、それをメモにしてくる。すると、ゼロベースではなく、5人×10分=50分の事前アイデア群から議論を始めることが出来るので、えらく効率的だという話。

実は、この点については、広告業界において、意外にも十分に意識徹底されているところなのです。

特に広告企画の会議においては、自分のアイデアを通したい、通して、得意先の広告予算を使って、そのアイデアを世に出したいという参加者の欲望が渦巻いています。なので、かなり周到に準備されたメモを、みんなが持ってくるのです(周到過ぎて、そのメモの説明に長時間かかることがあるのは面倒でしたが)。あの「事前アイデア文化」は、広告業界のいいところだと、掛け値なく思います。

総じて思うのは、会議や打合せを効率化するのは、結局参加者の意識だということです。定時から始めるという意識、事前に何か考えておくという意識、2つの「5×10の法則」が、いかに参加者の心に刻まれているかが大事。

10年以上前の深夜の大会議室、開始時間を過ぎても、重鎮や大物が待てど暮らせど来ない、連絡すらない中で私は「5×10の法則」、いや「20人×60分、70分……」と、法則の数値が法外に増えていくのを暗算しながら震えていました。

そんなポンコツな会議は減っているはず。いや減っていてほしい。私は心からそう信じたいのです。

午前中は機械的作業から

時間の使い方に関して、午前と午後では、方針が異なってくるのではないかと、ずっと思い続けていました。

というわけで、ここでは、時間の使い方についての方針を、午前と午後に分けてご紹介したいと思います。ただし、これはあくまで私自身が「無駄なく・無理なく・機嫌よく」(MMK)仕事をするための方針に過ぎないので、これを参考にしながら、読者のみなさんは、自分なりの方針を作ってほしいと思います。

朝早くは、みなさんもそうでしょうが、なかなか脳が稼働しません。そういうときに、いきなりギアをトップに入れる、つまり大きくてタフな仕事に向かうのは無理がある。そこで私はまず、機械的な作業をすることで、脳をアイドリングさせていました。

まずは、昨夜のうちに届いていたメールへの返信。そして、サインや押印だけで済むような書類の処理など。

次ページ分かりやすく揚げ足を取られるのが、事務的作業
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