女子大生になった小倉優子さん"再評価必至"の訳 なぜアンチを封印し、好感度を爆上げできたのか

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もちろんこの間もSNSには子育てや仕事のことが投稿されていました。小倉さんが家事と子育て、仕事、大学生活の3つに励んでいることが可視化され、好感度を抱かざるをえない状況が生まれているのです。

アンチを排除する「本気」の学び

特筆すべきは、アンチコメントが書きづらいようなムード。3つのことを精力的にこなす姿はもちろんのことですが、入学式に出席した1日の段階で、小倉さんはアンチコメントを未然に防ぐようなムードを作り上げていました。

大学受験はテレビの企画であり、芸能人にとっては数ある仕事の1つ。「合格か不合格か」のエンタメ性を楽しんでもらう企画だけに、「本当に入学する」ことは問われません。自宅や仕事現場から距離があるキャンパスならなおのことであり、「物理的に通えなかった」という言い訳にすることもできたでしょう。

しかし、小倉さんは「入学し、通学する」という道を選びました。これで「バラエティーの企画で受験するのは、ほかの受験生に失礼」というアンチの声を封印し、「受験勉強も大学の講義も本気で学ぼうとしている人」という好印象を獲得。応援などのポジティブなコメントが飛び交う現在の状況を呼び込みました。

その「本気で学ぼうとしている」という意味では、広義でのリスキリング、リカレント教育、生涯学習に当たると言っていいかもしれません。一般的にリスキリングが「企業主導で仕事に生かすために行う」、リカレント教育が「個人主導で仕事に生かすために行う」、生涯学習が「個人主導で人生を豊かにするために行う」ものと言われていますが、「知識や技術を得るために学び直す」という点では同じ。職域、所属の概念、求められる知識や技術などがファジーな芸能人の小倉さんは、3つすべてに該当するようにも見えます。

小倉さんは合格が公表された直後、インスタグラムに「大学合格がゴールではなく ここからが本当のスタートだと思っています! 専門的なことも学びたいな 資格を取りたいな 大学院とかってどんな場所なんだろう。 夢は広がるばかりです!」などとつづっていました。

このまま家事・育児や仕事をしながら大学生活を発信することで、メディアはもちろん政府や教育機関などからの注目も集めるのではないでしょうか。その意味で小倉さんが「リスキリング、リカレント教育、生涯学習の旗手」となっても驚きはないのです。

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