「お酒の席」には大事な"学び"が詰まっている 相手を不快にさせない「修行」になる

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スマートなお会計の済ませ方、プレゼントやお土産の手配の仕方、みんな、そうやって実地で学んできた気がします。ご一緒する人のお勤め先に合わせて、系列会社のビールを頼むこともできるようになったし、最後まで飲み干してから注いで欲しい方には、「いかがですか?」と言いながらお勧めしてよいか確認するようにもなりました。

タクシーでの上座・下座も、エレベーターの乗り方、ストッキングや靴の選び方も、みんな職場の飲み会で、失敗したり教えられたりして覚えてきました。

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くだらない情報で、ビジネスにまったく関係ないことだと言う人もいるでしょうね。そうかもしれません。でも、ビジネスでは相手に本題以外で不快な思いをさせてしまうことは致命的だと私は思います。そういう意味では、大切なお客様への接待の機会をいただいたとき、これらの「気の配り方」とか「マナー知識」などに、数多く助けられてきたのは事実です。

「彼女は若くて経験がないから仕方ないね」と年配のお客様に叱られたことも何度もあったけれど、上司にも細かく指導され、次第に身につき、自然に体が動くようになってきました。そして、実際に自分が上司の立場になってからも、職場の飲み会があると、若いメンバーにとっては「うるせーなー」「いちゃもんだ」と感じるかもしれないこうしたことについて、私は細かく口にしてきたタイプです。

指摘されても“いい経験”と受け止めて!

飲み会でのメンバーたちの様子を見ながら、「あの難しいお客様とも十分、やり取りができるな」と思ったり、「彼女は今度の接待がちょっと心配だな」と思ったりすることもありましたし、「お、学習したねぇ」と褒めることも、「だーかーらー」と軽く叱ることもありました。メンバーたちにとっては、面倒だったかもしれないけれど、何人かはきっと、「あの時、教えてもらったなー」と思ってくれているのではと言い聞かせながら、いちいち指摘していましたね。

職場の飲み会なんてくだらない、つまらない、と思う若手社員がいることは理解していますし、無理に誘いたいとも思いません。職場のコミュニケーションを円滑にする、といったよくわからない目的で参加するより、もしかしたら将来役に立つかもしれない、ビジネスマナーや常識なんかをそこで練習する、くらいの気持ちで出てみると、「なるほどなぁ」と思うことも見つかるかもしれません。

世代や役割がバラバラの人たちと一緒にごはんを食べる機会は、学生時代には少ないものです。どんな機会だって、あなた次第で「いい経験」にすることはできるものだ、と私は思いますよ。

堂薗 稚子 ACT3代表取締役

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どうぞの わかこ / Wakako Dozono

1969年生まれ。1992年上智大学文学部卒業後、リクルート入社。営業として多くの企業を担当し、数々の営業表彰を受ける。管理職として、多様な雇用形態の組織の立ち上げやマネジメント、『リクルートブック』『就職ジャーナル』副編集長などを経験。2004年第1子出産。2007年当時組織で最年少、女性唯一のカンパニーオフィサーに任用され、事業責任者、「リクナビ派遣」編集長を務める。2010年に第2子出産後はダイバーシティ推進マネジャーとして、社内外女性のメンターを務めつつ、ワーキングマザーで構成された営業組織の立ち上げ、マネジメントを担当し、彼女たちの活躍を現場で強く推進した。経営とともに真の女性活躍を推進したいという思いを強くし、2013年退職。株式会社ACT3設立、代表取締役。女性活躍をテーマに、講演や執筆、企業向けにコンサルティングなどを行っている。2013年2月、リクルート在籍時に東洋経済オンライン「ワーキングマザーサバイバル」連載に登場。FBのいいね!数が6000を超えるなど、話題となった。

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