「博士」がオムロン変革の旗手になったワケ

小澤尚志×瀧本哲史「大企業に巨大な可能性」

 本連載では、『武器としての決断思考』『僕は君たちに武器を配りたい』『君に友だちはいらない』の著者で、エンジェル投資家の瀧本哲史・京都大学客員教授が、各界で新たなロールモデルとなる注目の人物と対談、これからのビジネスパーソンと日本企業の生き方を探ります。今回のゲストは、オムロンベンチャーズの小澤尚志社長。異色のコーポレートベンチャーキャピタリストはどのように生まれたのか、そのキャリアストーリーに迫ります。

 

瀧本:オムロンは面白い商品を作る会社なので、コーポレートベンチャリングなどをしなくてもいいようにも感じます。なぜコーポレートベンチャーキャピタルを設立したのか、というところから話を伺おうかと思います。

小澤:確かに、比較的いろいろな分野で、事業をやっていますので何も出資をしなくても新しいことをたくさんやれるように見えると思います。

ただ、現在の中期経営計画には、新しいものをたくさん生み出していこう、というものがあります。これは昨年から始まっています。つまり新規事業の多産を目指しているわけです。

2020年まで50の新ビジネスをスタートさせたい

具体的に言うと、2020年までに50ぐらいの新しいビジネスをスタートさせようという目標を掲げています。

では、企業内に新規事業を起こすイントレプレナーがたくさんいるのかといえば、そうではない。やはり社外の力を借りることが必要なわけです。

瀧本:2020年までに50件となると1年間に10件ぐらい投資する計算になります。

小澤:そうです。これはかなりの数になります。多産をするためには、社内だけでなく意志と能力を持ったベンチャーの皆さんとコラボレーションする必要があるわけです。そのために、出資を行い、オープンイノベーションを進める「オムロンベンチャーズ」というハコを作りました。

瀧本:のちほど詳細を伺いますが、このベンチャーキャピタルはキャピタルゲイン狙いではなく、オムロンの新事業創出をサポートするというのが狙いですね。

小澤:そういうことになります。

瀧本この連載は「大企業の組織内で独自のポジションを勝ち得た人物に学ぶ」というコンセプトです。小澤さんの経歴は本当にユニークです。

小澤:2003年9月までは京大のエネルギー科学研究科で助教を務めており、セラミックスなど素材の研究をやっていました。そして2003年10月に材料エンジニアとしてオムロンに入りました。

次ページなぜ研究者から企業へ?
キャリア・教育の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
  • 最新の週刊東洋経済
  • 財新
  • 実践!伝わる英語トレーニング
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ホンダ「4代目フィット」がイマイチ売れていない理由
ホンダ「4代目フィット」がイマイチ売れていない理由
京セラのガラパゴススマホ「トルク」がたどり着いた境地
京セラのガラパゴススマホ「トルク」がたどり着いた境地
「人のために働く職業ほど低賃金」な根深い理由
「人のために働く職業ほど低賃金」な根深い理由
「半導体パニック」自動車産業に与える巨大衝撃
「半導体パニック」自動車産業に与える巨大衝撃
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
激動相場に勝つ!<br>株の道場

6月18日発売の『会社四季報』夏号が予想する今期業績は増収増益。利益回復に支えられる株価が上値を追う展開になるか注目です。本特集で株価が動くポイントを『会社四季報』の元編集長が解説。銘柄選びの方法を示します。

東洋経済education×ICT