オムロンが組む会社とは?
瀧本:具体的にオムロンベンチャーズはどのような会社への出資を狙っているのですか。カチッとした技術を狙っているようですが、そうした会社は日本ではあまりないのでは?
小澤:数は多くないと思います。今のベンチャーは、ほとんどがITサービス系ですから。しかしオムロンはメーカーなので、われわれが組むのは、技術がしっかりしているところになります。
瀧本:具体的にはどういう組み方になりますか? センサーを使う、ユーザーよりの機能を持つ会社と組むのか、同じレイヤーのセンサーの会社か。あるいは素材に近いタイプの会社でしょうか?
小澤:同じレイヤーのところ、あるいは少し下流のところです。なぜ同じレイヤーのところで組むのかというと、たとえばオムロンは農業分野に力を入れつつありますが、2つの課題があります。農業分野をするとして、オムロンに農学的な人材がいるのかといえば、いない。もうひとつは、新しいことをするときに、どうも大企業の組織内の仕事の進め方とうまくマッチしない。そのため、外でやったほうがいい。専門性と、スピードという2つの観点で外部と組みたいのです。
そういう人たちと一緒に組んで、われわれとしては、そのためのセンサーを設計して世の中に展開していくことができる。一緒にパートナーとしてやっていけるわけです。
瀧本:確かに、アプリケーション部分は、小回りのきく会社のほうが有利です。シーズ側を持っている会社はそこが弱いので、組むのはいい戦略だと思います。たとえばインテルがコーポレートベンチャリングをする目的は、自分のCPUを速くするアプリケーションをほかの人に探させる、という組み方になるわけです。逆に、3M(スリーエム)は、新製品の半分ぐらい、実は買収によるものです。人をハイアリングするために買収するケースもある。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら