「移動可能なプロフェッショナル」を目指せ

小澤尚志×瀧本哲史「博士起業の可能性」

シーズにいる人間が、いきなりニーズ側のことを考えるのは、簡単ではない

瀧本:グーグルの創業者も、1人はすごい技術者ですが、もう1人はテーマが見つからなくて、起業相談をしてグーグルを作ったみたいなところもありますね。

小澤:グーグルのようなすごい会社はなかなか生まれないでしょうが、アカデミアからベンチャーというルートは、もっとあっていいですね。

マーケティングの方を学べる場が増えればいい

ただ、シーズにいる人間が、いきなりニーズ側のことを考えるのは、簡単ではない。私は、ほぼ独学でマーケティングなどの勉強をしましたが。もうちょっと、型は教えてあげたほうが、「だったらできる」という人も増えていくかもしれません。長い目で見ると、そこを知っておくことが本人のキャリアにとってもリスクヘッジされた状態になると思います。

瀧本:そうですね。大企業でも、アカデミアでも、ベンチャーでも、壁を取り払えて、どこでも移動できるような人が実はいちばん安全です。逆に、そういう移動可能なプロフェッショナルは、企業のほうも離さない。だから、二重の意味で安全になります。

実は京大も、GTEP(Global Technology Entrepreneurship Program)という大学院生が起業の基礎から実戦までを学べるプログラムを昨年度から始めました。

小澤:組織に依存してしまうと、言いたいことも言えないし、やりたいこともやれなくなる。そのことが、企業にも悪影響を及ぼしていく。その意味でも、今の若い人たちには、移動可能なプロフェッショナルということを念頭に置いてほしいですね。 

(撮影:大澤 誠)

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