「9浪で医学部合格」難病に離職、彼の長い苦しみ 職場仮面浪人などを経たがっそーさんに聞く

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高校受験では親から勧めてもらった医学部の進学実績のある偏差値70程度の私立高校に合格。まさに目標に向けて、順風満帆の人生を歩んでいるように思えます。しかし、高校に入学した途端、成績が下がってしまったそうです。

「第1志望校に合格できたのですが、実力以上の学校に入ってしまったので周囲についていけなかったんです。中学から打って変わって、クラスで下から3番目の順位になってしまいました」

休日には10時から予備校に通い19時くらいまで9時間勉強する生活をしていたそうで、がっそーさんは医学部合格に向けて日々勉強を続けていました。それでも、高校3年間通して模試でE判定しか取れませんでした。

「運よくいい点数が取れたら行けるところがあるかもしれない」と思って受けたセンター試験も670/900点に終わり、ダメ元で出願した地方国公立の医学部の前期・後期の入試にも落ちて、浪人が確定しました。

2浪目突入である決断をする

こうして現役の受験を終えたがっそーさん。浪人を決断した理由を聞いてみたところ、「1回までならそれほど抵抗はなかったから」と言います。

「私の周囲も半分くらい浪人をしていました。だから、自分も浪人してどこか医学部に受かろうと思っていたのですんなり決断しました」

「早く受験を終わらせたかった」と語るがっそーさんは、河合塾に入って毎日朝8時から夜10時ごろまで、10時間以上の勉強を重ねます。その甲斐あって、地方の国公立大学ではD~C判定が取れるようになったそうです。

そうして自信を深めて臨んだ2回目のセンター試験。しかし結果は730/900点と、現役時よりは伸びたものの、想定していたより低い点数に終わってしまいました。結局この年も前期・後期ともに国公立の医学部に出願するも、不合格に終わりました。

絶望の2浪目突入も頭をよぎる中、がっそーさんはある決断をします。

「1浪目のセンター試験の結果を見て、『こんなに頑張ったのにここまでしか成績が上がらなかった』と思ったんです。2浪しても、成績が頭打ちになるどころか下がる可能性まであると思い、リスクが高いと考えました。だから、普通に大学を卒業して就職が不利にならないルートを残すため、またとりあえず大学生になりたかったこともあり、滑り止めで受けて合格した明治大学の理系学部に進んで仮面浪人をしようと思いました」

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