インターンシップ希望の学生と企業を結び付けている会社の1つが、パソナキャリア。同社は「キャリアインターン」というサービスを運営している。
キャリアインターンでは、インターンシップの中でも実務経験を積んで成長できる求人を掲載している。営業、プログラマー、企画、事務といった具体的な業務を通じて、仕事を知ることができるわけだ。
たとえば、「顧客への提案やアプローチ」といった社員と同様の仕事をすることで、仕事への理解を深めることができる。
プログラミングで学生の性格を知る
練馬区に本社を置くITベンチャー企業のモジックでは、2009年からインターンを受け入れている。長期間のインターンシップが多く、インターンシップ歴が3年を超える大学院生もいる。
モジックはチームワークを重視する会社なので、採用では「一緒に働けるかどうか」を重視する。実はプログラミングには周囲への思いやりが表れるという。プログラムを組ませることで、インターン生の性格をつかむことができるのだ。
藤井将童CTO(最高技術責任者)は、人材の育成に意欲を持っており、単に業務を経験させるのではなく、教育に力を入れている。半年間はインターン生に課題を設定し、藤井氏がサポートする。育成に時間をかけるので、3年生ではなく1~2年生からインターンシップを始めたほうがいいようだ。
経済学部の2年生が週2回のワークを行い、skypeで藤井氏がフィードバックを行ううちに実力を付け、半年で仕事の案件を任されるようになり、そのまま入社したという例がある。経済学部なのでシステムについては素人だったが、インターンシップで力を付けた。人間性が評価されたのは言うまでもない。
モジックは小さい企業なので、インターンシップをした優秀な学生がそのまま就職するとはかぎらない。人事などを担当する瀬尾元一朗氏は「東大生のインターンもいるが、ここに就職したいとは思っていないだろう」と言う。中にはインターンシップ期間中にいきなり来なくなってしまう学生もいる。
手間がかかる割には、採用効率が低く、モジックが得るものは少ないのではないか。こうした疑問に対して瀬尾氏は、「インターンを受け入れることで社員の能力が向上する」と言う。特に説明力が付くそうだ。インターン生はITについて知識が少ないので、社員に説明するように説明しても理解してもらえない。そこで、いつもとは違った方法を工夫しなければならず、説明力が身に付くというのだ。
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