また、異分子が社内に入ってくることで活性化して、新しいアイデアが生まれることもある。インターンの中には優秀な学生がいて、販売可能なソフトを作成してしまうこともある。インターンが実績を上げれば、社員にいい刺激を与えることになる。
司法書士を夢見て
青山学院大学法学部4年の中村駿さんは、渋谷にある司法書士の新綜合渋谷事務所で昨年7月からインターンシップをしている。中村さんは1年のときから司法書士受験を意識し、2年生から受験予備校に通い、3年生からインターンシップを開始した。毎週1回、大学の授業終了後に事務所に通っている。
実際に行っている業務は、顧客へ書類を送る際に添付する送付書や受領書の作成や、ファイリングなどの書類整理。また、法務局や公証役場へ行って手続きもする。
中村さんは「実際の業務では、学生では絶対会うことのない人に会ったり、行くことのない場所に行ったりするのでとても楽しい。実務をやって、司法書士の具体的なイメージを持つことができた」と言う。新綜合渋谷事務所にはインターン生が3人いるが、松本和江所長は「それぞれが興味を持つ仕事を割り振っている」という。
司法書士試験の問題は建前に基づいており、実際の業務とは懸け離れていることが少なくない。実際の業務を知りすぎると試験にはマイナスになってしまうことがある。そこで、松本所長は「試験とのバランスを考慮しながら仕事をしてもらっている」。
最近、雑誌などに「司法書士では食っていけない」といった記事が掲載されることが多い。そこで、松本所長は記事と現実の状況の違いを話して、インターン生の意欲を高めるようにもしている。
インターンシップでは、雇う側の学生に対する配慮が重要だ。中村さんにとってインターンシップは、試験対策というよりも司法書士試験合格へのモチベーションアップに役立っているようだ。
新綜合渋谷事務所では、インターン生を採用することは考えていない。松本所長は「こんな小さな事務所に就職するのはよくない」と謙遜する。
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