憂鬱な人がわかってない「気分の落ち込み」の正体 「誰も教えてくれなかった」一生役立つ心の健康法
気分について、まず知っておきたいこと
誰にでも、気分が落ち込む日はある。
誰にでも。
しかし、落ち込みの頻度や程度は人によって違う。
臨床心理士として長年働いてきてわかったのは、人は気分の落ち込みに苦しんでいながら、それを誰にも言わないということだ。友人にも家族にも、決して明かそうとしない。落ち込みを隠し、目をそらし、周囲の期待に応えようとする。そのようなことを何年も続けた末に、セラピーを受けに来る人もいる。
彼らは、自分はどこかおかしいのではないかと感じている。そして、気分の落ち込みを脳の欠陥と見なし、それを変えることはできないと思い込み、隠そうとする。日々、するべき仕事をこなし、そうすべき相手には笑顔を見せるが、いつも気分は少々むなしく、楽しめるはずのことを楽しめない。
ここで少し、体温について考えてみよう。今、皆さんは、暑すぎる、寒すぎる、あるいはちょうどいいと感じているかもしれない。暑いとか寒いとか感じるのは感染症や病気の兆候かもしれないが、その時の状況の反映にすぎない場合もある。たとえば暖かな上着を着忘れたとか、急に雨が降りだしたといったことだ。もしかすると空腹や脱水状態のせいかもしれない。また、発車しそうなバスに駆け込むと、体温は上がるだろう。このように体温は体の外と内から影響を受け、わたしたちは体温をいくらか上げたり下げたりできる。
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