憂鬱な人がわかってない「気分の落ち込み」の正体 「誰も教えてくれなかった」一生役立つ心の健康法

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セラピーに来る人の大半は、感情を変えたいと思っている。自分が抱える不快な(ときには耐えがたい)感情から解放されて、喜びや高揚感といった豊かな感情を抱きたいと思っているのだ。セラピーでは、彼らが望む感情をボタン1つで作り出せるわけではない。けれども、感情は体の状態、思考、行動と密接に絡みあっていることを彼らは学ぶ。それらの要素は、自分で変えることができる。脳と体と環境の間では常にフィードバックが起きているので、それを利用して感情に影響を与えることができるのだ。

自分の体と心で起きていることを理解する

気分の落ち込みを理解するための最初の一歩は、経験の各側面を認識すること、つまりひとつひとつの側面に気づくことだ。この気づきは振り返ることから始まる。その日を振り返り、ある瞬間の経験を分解してみよう。時間をかけ、練習を重ねるうちに、リアルタイムでそれらの側面に気づけるようになる。そこに状況を変えるチャンスがある。

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セラピーでは、気分が落ち込んでいる人に、どのような形で不調を感じるかを尋ねる。すると彼らは、疲労感、無気力、食欲不振に気づく。「今日は何もする気になれない。わたしは怠け者だ。成功するはずがない。だめな人間だ」と考えていることに気づくこともある。あるいは、仕事中にしばらくの間トイレに隠れてソーシャルメディアをスクロールしたくなることに気づく人もいる。

こうして自分の体と心で何が起きているかがわかるようになれば、さらに視野を広げて、周囲の環境や人間関係に何が起きているか、それが自分の感情や思考や行動にどのような影響を与えているかに目を向けられるようになる。時間をかけて細かなことを理解するようにしよう。

──こんなふうに感じるとき、わたしは何について考えているのだろう? 体はどんな状態にあるのだろう? こんな気分になる前の数日間や数時間、わたしは自分をどのように扱っていただろう? これは感情なのか、それとも体の不調の現れにすぎないのだろうか?──問いは多くある。

答えが明らかな場合もあれば、複雑すぎてわからない場合もあるだろう。それはそれでいい。自分の経験を掘り下げ、書き留めていけば、自己認識力を高め、自分の状況を何が好転させ、何が悪化させるかに気づきやすくなるはずだ。

ジュリー・スミス 心理学者、臨床心理士

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Julie Smith

オンラインでの発信やカウンセリングが人気を博し300万以上のSNSフォロワーを持つ。心理学・精神医学に基づく適切な知識を動画でわかりやすく届ける活動はBBC等にも取り上げられる。

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