憂鬱な人がわかってない「気分の落ち込み」の正体 「誰も教えてくれなかった」一生役立つ心の健康法

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気分もそれと同じだ。気分の落ち込みには内外のさまざまな要因が影響しているので、その要因がわかれば、望む方向に気分を変えることができる。原因は服を1枚多く着てバスに乗るために走ったことかもしれないし、他にあるのかもしれない。

科学的に確認され、多くの人がセラピーを通して学ぶ通り、わたしたちは自分が思う以上に、感情に影響を及ぼすことができる。

それが意味するのは、自らの幸福感に働きかけ、情緒を健全にできるということだ。つまり気分は変えられないものではなく、自分がどんな人間かを定義するものでもなく、一時的に経験する感覚にすぎないのだ。

だからと言って、落ち込みや憂うつな気分を容易に解消できるわけではない。人生は依然として苦難や苦痛や喪失をもたらし、それらは常に心身の健康に反映される。むしろ、それが意味するのは、ツールによって感情をコントロールできるということだ。それらのツールを使う練習をすればするほど、使い方はうまくなる。そうなれば、気分を叩きのめすような問題を人生が投げつけてきても、跳ね返すことができる。

気分は脳だけの産物ではない

睡眠時間は至福のひとときだ。しかし目覚まし時計がそれを妨害する。いきなり騒々しい音が衝撃をもたらす。わたしはスヌーズボタンを押して再び横になる。頭が痛み、イライラする。もう1度スヌーズボタンを押す。でも、そろそろ起きないと、子どもたちが学校に遅刻する。わたし自身、会議の準備をしなければならない。目を閉じてオフィスの机の上にあるやることリストを思い浮かべる。恐怖。いらだち。極度の疲労。今日は何もしたくない。

これは気分の落ち込みだろうか。この落ち込みは脳から生まれたのだろうか。なぜこんなふうに目覚めたのか、時間をさかのぼってみよう。

昨夜は遅くまで仕事をした。ベッドに入る頃にはくたくたで、階下に降りてグラス一杯の水を飲む気力もなかった。その上、夜中に2度、赤ん坊が泣いて、起こされた。つまり、わたしは睡眠不足で脱水状態だったのだ。そこへもってきて、目覚まし時計のけたたましいアラームに起こされたので、ストレスホルモンが全身を駆け巡り、心臓がドキドキしてストレスを感じた。

これらの信号のひとつひとつが脳に情報を送る。たいへんだ、たいへんだ、と。脳はその理由を探し、見つける。睡眠不足と脱水状態による不快感が気分の落ち込みの原因の一部だったのだ、と。

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