憂鬱な人がわかってない「気分の落ち込み」の正体 「誰も教えてくれなかった」一生役立つ心の健康法

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誰でも落ち込んでいるときには、人前に出たくないだろう。普段なら楽しめることも、したいと思えない。けれども、長い間そうやって引きこもっていると、ますます気分は落ち込む。体に関しても同じ悪循環が起きる。あまりに忙しくて数週間、運動ができなかったとしよう。疲れていて気分も落ち込んでいるので、運動をする気になれない。こうして運動をしない期間が長くなると、無気力でエネルギー不足になる。エネルギーが不足すると、ますます運動から遠ざかり、気分はさらに落ち込む。つまり、気分の落ち込みは、さらに気分を落ち込ませる行動を招くのだ。

このような悪循環に容易に陥るのは、経験のさまざまな側面が互いに影響しあうからだ。しかし、それは、わたしたちがいかに悪循環に陥りやすいかを示す一方で、そこから抜け出す方法も示している。

思考、身体的感覚、感情、行動のすべてが影響しあって経験を生み出しているが、人はそれをひとまとめに経験する。そして、バスケットに編み込まれた籘づるの1本1本を認識するのが難しいのと同じで、経験を個々の要素に分解するのは難しい。それには練習が必要だ。

そうすれば、自分がどのような変化を起こせるかを理解しやすくなるだろう。次の図は、経験を分解するための簡単な方法を示している。

わたしたちがどのように気分の落ち込みの悪循環にはまり込むかを示した図
わたしたちがどのように気分の落ち込みの悪循環にはまり込むかを示した図。同時に抜け出す方法も教えている(Greenberger&Padesky, 2016)

(外部配信先では図などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

このように物事を分解すれば、自分を行き詰まらせる行動だけでなく、自分の助けになる行動も見えてくるだろう。

次ページ体の状態、思考、行動と結び付く感情は自分で変えられる
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