50代は「カロリーを気にしたらやせない」その理由 カロリーを控えすぎることで出てくる悪い影響

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摂取するカロリーにこだわる人は、肉や揚げ物、ごはんやいも類はカロリーが高いからと食べるのを一切やめていたり、野菜はカロリーが低いからと肉も魚も食べずに野菜だけ大量に食べていたりして、栄養のバランスが悪くなりがちです。

こういう食事を続けていても、良いことはありません。思うようにやせないばかりか、エネルギー不足に陥りやすく、疲れやすくなったり、頭がぼーっとしやすくなったりするでしょう。

また、カロリー制限をしている人の中には、カロリーが低いからと人工甘味料入りの飲み物ばかり飲んだり、砂糖代わりに人工甘味料をたくさん使ったりしている人も多いと思いますが、これも問題です。人工甘味料は腸内環境を乱し、甘さに対する味覚も乱してしまいます。

このように、カロリー制限は、辛い割に成果が出づらいばかりか、健康を損なうきっかけになりかねません。ですから50歳からは、カロリーそのものではなく、何をどう食べるか意識することで栄養バランスをはかり、健康を維持していきましょう。

こういうお話をすると、「栄養バランスを考えるなんて、とても面倒で無理です」とおっしゃる方は少なくありません。確かに、栄養素別に必要な摂取量を算出することは、一般の人にはほぼ不可能です。

1日10品目の食品を食べる

『50歳からは「食べやせ」をはじめなさい』(青春新書プレイブックス)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします 

でも、安心してください。誰でも簡単に栄養バランスがとれる、ちょっとしたコツがあります。

私の一番のおすすめは、主食、主菜、副菜の組み合わせで、1日10品目の食材を食べるように考えることです。これなら、朝、昼、晩、どんな食品を食べるかざっとメモするだけで、続けられるはずです。

また、調味料は少なめを心がけること。そして、調理法もできるだけ重ならないように、生・蒸す・ゆでる・煮る・焼く・炒める・揚げるが、ばらばらになるようにしましょう。細かいことまで気にしなくても、これだけ注意すれば、かなり栄養のバランスがとれます。ぜひ、今日からでもトライしてみてください。

森 由香子 管理栄養士/日本抗加齢医学会指導士

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もり ゆかこ / Yukako Mori

東京農業大学農学部栄養学科卒業。大妻女子大学大学院(人間文化研究科 人間生活科学専攻)修士課程修了。2005年より、東京・千代田区のクリニックにて、入院・外来患者の血液検査値の改善にともなう栄養指導、食事記録の栄養分析、ダイエット指導などに従事している。また、フランス料理の三國清三シェフとともに、病院食や院内レストラン「ミクニマンスール」のメニュー開発、料理本の制作などを行う。日本サルコペニア・フレイル学会会員・日本認知症予防学会会員・日本排尿機能学会会員。抗加齢指導士の立場からは、〈食事からのアンチエイジング〉を提唱している。

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