医師解説、肝臓から「脂肪が落ちる」朝食のとり方 朝食に“カット野菜のスープ"を勧めるワケ

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肝臓に脂肪がたまると本来の働きができず、太りやすく、疲れやすくなります。これが“脂肪肝”という病気です(写真:なないろひまわり/PIXTA)
長野県佐久市立国保浅間総合病院「スマート外来」では、患者の8割が3カ月で約5kgの減量と、脂肪肝の改善に成功しています。患者さんの成功事例を参考に、肝臓から脂肪を落とす食事の実践的な取り組み方を紹介します。
『専門医が教える 肝臓から脂肪を落とす食事術 予約の取れないスマート外来のメソッド』が大好評の肝臓外科医・尾形哲氏がこの度、『専門医が教える 肝臓から脂肪を落とす7日間実践レシピ』を上梓。本書から一部抜粋・再構成してお届けします。

「朝食」抜きが脂肪肝や糖尿病を悪化させる

「食べる量を減らしているのに、やせない……」と、お悩みの方へ。もしかしたら“肝臓にたまった脂肪”のせいで、肝臓が十分に働いていないのが原因かもしれません。肝臓は食べ物を体のあらゆる部位で必要な形に変化させる(=代謝を司る)、人体最大の臓器。肝臓に脂肪がたまると本来の働きができず、太りやすく、疲れやすくなります。これが“脂肪肝”という病気です。

脂肪肝の正式な病名は、「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)」といいます。飲酒習慣がないのに肝細胞に脂肪がたまる病気で、現在、日本では成人の約3人に1人、2300万人以上が罹患しています。そして、今のところ脂肪肝を治す特効薬はないのです。

でも、治らないと諦める必要はありません。科学的に証明された改善法があります。

ーーその方法が“肝臓をいたわる食事”です。

実際に食事の改善で減量に成功し、脂肪肝を克服した患者さんのケースを元に食事法をご紹介しましょう。

飲酒はしないけれど、甘いものが大好きなKさん(女性・当時58歳)は、幼少期からずっとぽっちゃり体型だったそうです。しかし50代後半になって、食事量は変えていないのに1カ月に1㎏ずつ増える事態に……。不安になってかかりつけ医を受診すると、ヘモグロビンA1cを含む血糖値が高く「糖尿病」との診断を受けました。そして、足を運んでくださったのが当院の「スマート外来」で、脂肪肝からの脂肪肝炎(NASH)を発症していることも見てとれました。

次ページ最初に行った計測では、肝機能の数値も血糖値も異常値だった
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