50代は「カロリーを気にしたらやせない」その理由 カロリーを控えすぎることで出てくる悪い影響

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しかし、50代からの健康を第一に考えたダイエットを推奨する場合、体重に占める体脂肪の割合に重きを置いています。体脂肪率は、家庭用の体組成計(体重だけでなく、体脂肪の割合や筋肉量なども測れる機器)で測定できます。

健康的とされる体脂肪率の目安は、男性は10~19%、女性は20~29%で、それ以上は肥満です。逆に言えば、健康であればBMIが25以上であっても、体脂肪率が基準範囲内でさえあれば、やせる必要はありません。

何年か前に、「人は20代の頃の体重を維持し続けるのが一番健康的」と言われたことがありましたが、これも特に根拠はありません。本当に健康的かどうかは、体重の重さだけでは判断できないからです。それどころか、中高年になってから、体重にこだわって無謀なダイエットをしてしまうと、栄養不足に陥り、免疫力が下がったり、かえってやせにくい体になったりしてしまいます。

ですから、50代になったら、体重を落とすことだけにこだわったダイエットをする必要はもはやありません。これからは、バランスのとれた食事を上手にとる健康的な「食べやせ」で、筋肉を保ちつつ、体脂肪を落としていきましょう。

「何kgやせる」という目標は立てたらダメ

若い頃のダイエットといえば、「同窓会までに〇㎏やせる!」「結婚式までに〇㎏やせる!」など、“一大イベント”でした。そのときどきの必要に応じて、短期集中型のダイエットを繰り返していたという人も、いらっしゃるのではないでしょうか。

そうしたダイエットはそもそも若い人にもおすすめはできませんが、それでも若いうちであれば、見た目にこだわって短期集中型のダイエットをしたくなる気持ちもわからないではありません。

でも、中高年になったら、短期間で「〇㎏やせる」という目標は決して立ててはいけません。 50代からのダイエットの目的はあくまでも健康。繰り返しになりますが、落とすべきは体重ではなく、体脂肪率にあるからです。実際、「1カ月で〇㎏」という目標を立てたところで、体脂肪はそんなに簡単には減りません。

こういうお話をすると、「そんなことはありません。私はすぐに2㎏落としました」とおっしゃる方がいるのですが、それは水分や筋肉が減った結果にすぎないのです。実は、ダイエットですぐに落ちるのは水分です。

私たちが食事からとった糖質は、肝臓と筋肉にグリコーゲンとして貯蔵されています。グリコーゲンには水分を保持する性質があるので、糖質の摂取量を減らすと、グリコーゲンが減って水分が排出され、すぐに体重が減るのです。

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