30代が辞めていく…育児中の教員8人が語る窮地 「育休復帰が怖い」と語る先生たちの絶望

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以上を総合的に勘案すると、改善のためには部分的、一時的な対応では難しく、あらゆる分野からの改善、改革が必要になると考えます。

しかし、労働問題、少子化問題、学校教育問題、育休の男女取得問題などが複雑に絡んだ問題を解決していくことは容易ではありません。

「変えられること」を見つけノウハウを共有する

そこで、現時点ですぐには「変えられないこと」「変えられるが困難なこと」「変えられること」と3つに分けて考えることが現実的だと思われます。

(1)変えられないこと→現状の制度
(2)変えられるが困難なこと→昔からやっているというだけで行っている慣習
(3)変えられること→個人業務の方法や効率化

本質的には(1)が変わらなければなりませんが、そう簡単に変わるとも思えません。そこで今できることは(2)(3)、とくに(3)を進めていくことだと思います。そしてそのためには、できるだけ多くの情報を共有することが大切です。

つまり、職場周辺における情報交流だけでなく、全国には同様の立場で同じような悩みをかかえるママさん教員がたくさんいることを認識し、(2)(3)に対応するノウハウを共有していくことが大事です。

もちろん、業務効率を上げるだけでは抜本的な解決にはなりませんし、限界があります。それでも、緊急対応としてできることをやっていき、少しでも負荷を下げる方向につなげる、つなげられる道筋を感じられることが重要です。

情報共有の重要性については、筆者が7年間で1万人の母親対象に行ってきた勉強会「Mama Café」でも強く認識してきました。そこでは少人数の母親が集まってお互いに悩みを共有し、相談しあいます。そうして同じ悩みを抱える人たちが集まると、想像していた以上に、自分が知らない考え方やノウハウを知ることができます。また誰かに話をすることで、自分の情報整理も行われます。

先生方は、教員である前に1人の人間です。子どもたちに望ましい教育を提供するためにも、教員たちが日々疲弊する環境から少しでも解放されることが必要ですが、それを自助努力で行うことは限界があると考えます。

そこで、千田さんのような状況にある教員たちが集うコミュニティーでの交流が当面不可欠であると思います。

筆者もその活動を早速始めましたが、全国にも教員が情報交流するコミュニティーがあると思います。コロナ禍前では難しかった交流が、オンラインによって簡単につながり、共有することが可能となりました。制度が簡単に変わらないのが本当につらいところだと思いますが、変えられることを1つずつ変えていくことが、まずは第一歩になると思います。

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子育て中の女性教員の方のお声を集めています。ご協力いただける方はこちらのフォームより現状についてお知らせ下さい。今後の取材活動の参考にさせていただきます。記事化させていただく場合には、ご連絡させていただきます。
石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

講演、執筆相談はこちらから。

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