厳しい現実におかれているママさん教員
まさに、千田さんの現況に近い声をたくさん頂きました。
その後、ママさん教員たちに直接オンラインで集まってもらい、直接ヒアリングした際には次のような話も出てきました。
・夜9時に子どもと一緒に寝て、午前3時に起きて家事をやる
・人手不足で、業務量が大きく増えている
・忙しすぎて声もあげられない状態
・保護者対応が多くの時間をとられるときもあり、授業準備の時間が十分に取れない
・過去に子育てしてきた先輩教員からの圧力もある(「私はやってきたけど……」という発言)
全国の状況を悉皆調査しているわけではないため、一般化した断定はできませんが、少なくとも上記の調査から、厳しい現実におかれているママさん教員像が浮かび上がります。
2021年度文部科学省の学校基本調査によれば、女性教員の割合は、小学校で約62%、中学校で約44%となっており30年前と比べて女性教員の比率は上がっています。
文部科学省による公立学校教職員の人事行政状況調査の結果(2021年度)によれば、精神疾患による病気休職者数は5897人と過去最多数となっています。男女別では男性2406人、女性3491人。年代別では、20代1164人、30代1617人、40代1478人、50代以上1638人。
学校種別では、小学校2937人(在職者に占める割合0.71%)、中学校1415人(同0.61%)。
ちなみに2021年度の育児休業の取得割合は、男性9.3%、女性97.4%で、前回の2018年度調査時点の男性2.8%、女性96.9%からは男性の育休取得が増加しているものの、取得はほぼ女性に集中しています。
このような状況の中、小学校の教員採用試験の倍率が危険水準と言われている3倍を切りました。2019年度に全国平均で2.8倍、2022年度は2.5倍と過去最低を更新し続けています。
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