苦しい時、「好きな仕事」が助けてくれる

世界が評価する漫画家の知られざる苦悩

音量にご注意ください(注:コメントの中の「今月」は「3月」のことです)
高浜寛さんはデビュー以来、国内よりも海外でいち早く評価されてきた作家だ。著作の多くがフランス語訳されており、『イエローバックス』でアメリカ「The Comics Journal」誌「2004年ベスト・オブ・ショートストーリー」を受賞。各国の著名な画家・作家らとともにファッションブランド「カルティエ」の商品ブックレットにも作品を寄せている。
最新作となる『蝶のみちゆき』は長崎丸山遊郭の遊女と病の男との切ない愛を描き、フランス政府芸術文化勲章受章作家の谷口ジローと、フランスB.D.の巨匠・ペータース&スクイテンが絶賛している。

 

前編 「筑波大卒漫画家」というキャリアはどう生まれたか

基本的に性善説というスタンスで描く

塩野:『蝶のみちゆき』も『四谷区花園町』も、出てくる人が優しいですよね。前者で言えば、廓(くるわ)のやり手であるおたきさんですとか……。

高浜:九州人はいい人なんです。意地悪なおばちゃんなんだけど、困っている時はちゃんと助けてくれたり。いつもはすごいバカにしたり、こき下ろしたりしても、ときどきおかずを「食べなさい」と持って来てくれたりするんですね。

塩野:やっぱりそういうご自身のオリジンというか、血筋のようなものが作品に出ているなと思われますか?

高浜:あると思います。東京と優しさの出方が違う感じがしますよね。私は性善説が好きで、基本的にみんな優しいんだというスタンスで描いています。

塩野:最近の漫画ではそういう優しさを感じるものがあまりないですね。

次ページ最近の人たちはやさぐれている
キャリア・教育の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 最新の週刊東洋経済
  • 晩婚さんいらっしゃい!
  • 近代日本を創造したリアリスト 大久保利通の正体
  • 夢を諦めない「脱会社員の選択」
トレンドライブラリーAD
人気の動画
東芝、会社「3分割」に残る懸念
東芝、会社「3分割」に残る懸念
ANAとJAL、国内線で競り合う復活レースの熾烈
ANAとJAL、国内線で競り合う復活レースの熾烈
富裕層、世代でまったく異なる「お金の使い方」
富裕層、世代でまったく異なる「お金の使い方」
EVの切り札?夢の「全固体電池」は何がスゴいのか
EVの切り札?夢の「全固体電池」は何がスゴいのか
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
メタバース革命が始まる<br>全解明 暗号資産&NFT

不正流出事件から4年。復活不可能に見えたビットコイン相場は米国主導で活況を取り戻しました。暗号資産を使ったNFTの購入、そしてNFT取引が広がるメタバースにもビジネスの機会が広がっています。日本は暗号資産とどう向き合うのでしょうか。

東洋経済education×ICT