三菱電機、若手・中堅が挑む「組織風土改革」の全貌 改革は道半ばだが「変化の兆し」は見え始めてる

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一連の品質不適切行為問題を受け、漆間社長は「品質風土改革」「組織風土改革」「ガバナンス改革」「3つの改革」を打ち出した。

「3つの改革」の狙いと、その取り組みとは?

それぞれの狙いは次の通りである。

①品質風土改革
エンジニアリングプロセスの変革により、現場が不適切行為を起こす必要のない仕組みと環境の構築

②組織風土改革
双方向でかつ風通しのよいコミュニケーションの確立による自らが組織として問題解決を図ることのできる風土の醸成

③ガバナンス改革
外部の視点を入れながら、不正が起こらない・起こさせない全社ベースのガバナンス/内部統制の仕組みの構築


 「3つの改革」を進めるとともに、漆間社長自らが陣頭指揮を執り、トップダウンによる改革にも着手している。

製作所に出向いたり、オンラインで従業員たちと直接対話するタウンホールミーティングを繰り返し行ったりするなど、従業員との直接対話に多くの時間を割いている

また、「上の人間から変わる必要がある」と考え、「社長塾」(現在の名称は「Executive Leadership Academy」)と銘打った研修を開始した。

第1期は執行役クラスを集め、計5日間実施し、社長への改革提言を行った。第2期は製作所長22名を集め、最終日には製作所改革に向けての決意表明をひとりずつ社長にぶつけた

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