三菱電機、若手・中堅が挑む「組織風土改革」の全貌 改革は道半ばだが「変化の兆し」は見え始めてる

✎ 1〜 ✎ 9 ✎ 10 ✎ 11 ✎ 12
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

漆間社長の危機感、改革への本気さは執行役、所長、部長へと伝わり始めている

実際、配線用遮断器などを製造する福山製作所では、生え抜きではない女性所長のリーダーシップの下、さまざまな変化が生まれている。

「改革の本気さ」が伝わると、現場にも変化が生まれる

部長クラスほぼ全員を交代させ、他の製作所や研究所からも抜擢した。これまでは所内での昇進が当たり前だったので、所外からの抜擢は異例である。

部長クラスだけでなく、管理職クラス約50名のローテーションも実施した。これまでの硬直的だった人間関係に風穴を開け、「新たな視点」や「異見(異なる意見)」が生まれやすい環境を整えた。

所内での投資費目も大きく見直し、前例踏襲ではなく、優先順位の高いものへ振り向けている。また、新規事業を立ち上げるチームを専任体制で組成した。いずれも、これまでにはなかったダイナミックな変化である。

こうした変化は、従業員の意識や行動にも変化をもたらしている

私が同所を訪ねた際も、課長や係長から「変わってきたという実感はある」「所長から気軽に相談してね、一緒に考えようと声を掛けてもらっている」という声を聞いた。

製作所の空気感は明らかに変わりつつある。

次ページ「3つの風土」を醸成する
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事