頭の中でチャッターが起きたときは、まず、自分と対話をすることが大事です。
本書には、著者のイーサン・クロス氏が、自身に届いた脅迫状がきっかけで、不安のチャッターに襲われ、バットを手にして警戒してしまったというエピソードが書かれています。
しかし、チャッターがまったく存在せず「大丈夫だ」とポジティブなことしか考えていなかったら、もしかすると、無防備なまま、本当に暴漢に襲われたかもしれません。
このときのイーサン氏は、チャッターに支配されてしまったことが問題だったのです。ある程度のリスク対策が準備できたところで、「ここまで準備ができたから、もし暴漢がやってきたら、次は警察を呼べばよい」と考えることができればよいわけですね。
ある言葉がチャッターとなって頭の中をぐるぐる巡るということは、それを問題点として自覚しているということでもあります。
その問題に対する対策を粛々とやっていくことが、人生において繰り返されることでもあり、それこそが、自分の行きたい道へ進むということでもあるでしょう。
頭の中のひとりごとは、決して怖いことではありません。ひとりごとと握手をして、飼い慣らしていけばよいのです。
あがり症は「セルフイメージ」の調整を
チャッターに支配されないためには、セルフイメージを正しく調整しておくことも大切です。
大事なプレゼンや商談などを迎えて、「失敗したらどうしよう」「恥ずかしい」という感情に襲われ、あがってしまうことは皆さんよくあると思いますが、それが極端に大きくなり、恐怖感にまでなってしまう「あがり症」の人がいます。
そういった人の特徴は、日ごろから「自分はうまくいかない」と思っているのではなく、「もっと自分はすごいはずだ」と過大評価していることです。
つまり、「すごい」はずの自分に、「プレゼンや商談がうまくいかない」という事実を突きつけられるのが怖いのです。
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