「ネガティブ思考な人」が実は有能で賢い納得理由 「脳のクセ」にうまく対処し、行動を変える方法

✎ 1〜 ✎ 13 ✎ 14 ✎ 15 ✎ 最新
拡大
縮小

このクセがあるから、マジシャンという職業が成立します。1つのことに注意を引き寄せて、けむに巻く。人間の注意力には限界があるということです。

同じように、内なる声や、抱えている感情に脳が支配されてしまうと、他に気が回らなくなり、多大なミスが起きてしまいます。それを書いたのが、本書『チャッター』です。

内なる声は、すべて悪いものだとはいえません。自分の声に集中しなければいけないときもありますし、「お前ならできる」というような、良いチャッターによって自信を持つ場合もあるでしょう。

チャッターを「リスク」と置き換えることもできます。成功している人には、リスク管理能力があります。内なる声をたくさん聞いていて、湧き上がる不安や心配を尊重し、それに対処しているのです。

「株価が下がったらどうしよう」「資金繰りはうまくいくだろうか」。その声を1つひとつ潰していく。その方法は、本書に書かれている方法かもしれませんし、その人オリジナルの方法かもしれません。

心配事に支配されてしまうと、「成功しない心配性の人」になってしまいますが、心配することそのものは悪いことではありません。コントロールすることが大事なのです。

ネガティブシンキングこそ最強思考

僕はむしろ、ポジティブシンキングは怖いもので、ネガティブシンキングこそが最強だと考えています。

ポジティブシンキングは、問題点が起きると、そこにフタをしてしまうタイプの考え方ですから、また同じトラブルに巻き込まれがちです。

一方、ネガティブシンキングは、問題点を見ることのできる思考力ともいえます。問題が起きても、それに立ち向かう勇気さえ持てばいいのです。

次ページ「ひとりごと」を飼い慣らす
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT