なぜ日本人の「色彩感覚」は世界で賞賛されるのか 「春の色」ひとつとってもこんなに多彩
なぜ日本の色彩文化、色彩感覚が特別なのか
筆者はかつて、北欧スウェーデンの色彩教育を学ぶため短期留学したことがある。スウェーデンはもとより、世界中からそれぞれの専門分野を持つ社会人が集まったクラスの初日でのこと。メキシコから来たというクラスメイトから「日本人の色彩感覚や色彩文化はエクストラオーディナリー(extraordinary)だ」と言われた。
辞書に掲載されている単語の意味としては「普通でない・並外れた・異常な」とあるが、日本で生まれ育った私は、それをハッキリと意識したことがなかった。バカにされているのだろうか? それとも褒められているのだろうか?とモヤモヤしつつ、「なぜそう思うのですか?」と尋ねたら、「季節の移り変わりとともに配色を変えたり、非常に繊細な色を使い分けるから」という答えが返ってきた。
日本人が歴史の中で育んできた色彩感覚は、世界に類を見ないものがあるが、その大きな要因となっているのは気候である。春夏秋冬の区別がはっきりしているが故に、日本人は昔から四季折々の植物や自然現象と連動して、季節の変化を感じ取ってきたと言える。
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