トップコンサルも重宝!「おでん図」のすごい力 全体が可視化され気づきを得られる「ポンチ絵」
コンサル業界には「ポンチ絵」という業界用語がある。議論を整理するための簡単な図、概念図のことだ。人に見せるための図ではなく、自分を含めその場にいる人の思考を可視化・整理する「ポンチ絵」は、一見ただの落書きのようにも見えるが、眺めていると新たな気づきを得られるという力がある。
外資系の事業会社やコンサルティングファームを経て、いまはビジネススクールで教鞭をとり、『武器としての図で考える習慣:「抽象化思考」のレッスン』を上梓した筆者が、自身が最初に教わったポンチ絵「おでん」について紹介する。
おでんの正体はビッグ・ピクチャー
私が、最初に「ポンチ絵」に出合ったのは、まだ私が駆け出しのコンサルタントの頃のこと。
ホワイトボードに図を描いて議論を前に進めることが得意なベテランコンサルタントがいました。その人の描いていた図がポンチ絵でした。
みんなはそのポンチ絵のことを「おでん」と呼んでいました。その形がおでんに似ていたのです。
□が現状。〇が目標。△が道筋です。そしてみんながそれぞれに思ったことを述べ、ベテランコンサルタントが、その意見をこの「おでん」の中に書き込んでいくと、なぜかその議論がうまくかみ合い、この「おでん」の中に収まっていく。
そして、気付くと問題解決の道筋が見えてくる……。そんな不思議な感覚でした。
なぜ、こうもうまく議論がかみ合っていくのか? その理由は、この「おでん」は、現状からあるべき姿に至るまでの「ビッグ・ピクチャー」だったからです。全体像だから、どんな議論でもうまく吸収できる。関係性もハッキリわかる。そんな感じです。ちなみに、ヨコ軸は時間、タテ軸はものごとのレベル感です。
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