トップコンサルも重宝!「おでん図」のすごい力 全体が可視化され気づきを得られる「ポンチ絵」

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「おでん」がビッグ・ピクチャーだったからこそ、つまり、各論や細部にとらわれる若手コンサルタントが見失う全体像だったからこそ、この「おでん」には大きな意味があったのです。

空白にうまみが隠されている

また、おでんの余白(汁にあたる部分ですね!)は新たな気づきのヒントにもなります。余白を見るということは、何か抜けていないかと、図を「健全に疑ってみる」ことにつながり、新たな切り口や新たな要素を強制的に思いつくためのきっかけになるからです。

余白が発想を刺激する。その余白に新たな着想が書かれていく。これは、余白が発想を広げることを支援し、新たな着想が図を豊かにしていくという好循環です。

例えば子どもが小学校の高学年になって、将来を考え始めたとき、描く「おでん」は次の図のようになるかもしれません。

出所:『武器としての図で考える習慣』

そこで、余白をにらむのです。「いい大学に入る」ために、ただひたすら「大学受験のための勉強をする」しかないのかと……。

さまざまな視点で何かを無理やり思いつこうと努力すると、推薦入試やAO入試、あるいは海外に出て帰国子女枠を狙うという違った山の登り方が見えてくるかもしれません。

出所:『武器としての図で考える習慣』

ビッグ・ピクチャーやタテ・ヨコを意識しながら、自由に、シンプルに、思考の形を整えていくことができる。これが「おでん」のパワーです。

では次に、「おでん」の描き方を使って、キャリアプランを策定するプロセスをたどってみましょう。次のような状況を考えてみます。

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