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なぜ日本人の「色彩感覚」は世界で賞賛されるのか

日本の色彩文化はどのように発展してきたのでしょうか。無意識に身につけてきた「色彩感覚」を改めて学んでみませんか(写真:kikuo/PIXTA)
(出所:『配色アイデア手帖 日本の美しい色と言葉』)
明治5年にグレゴリオ暦が導入されるまで、1年の始まりは「立春」だった。立春は二十四節気(太陽の運行をもとに1年を24分割した暦)の1つで、農作業には欠かすことのできない指標として活用されていた(出所:『配色アイデア手帖 日本の美しい色と言葉』)
(出所:『配色アイデア手帖 日本の美しい色と言葉』)
桜のピンク・菜の花の黄色・萌え出る新緑・明るい空色…これらを「春の色」だと思う感覚は、極めて日本的なものだ。と同時に、明清色調(めいせいしきちょう)で統一された配色が「心弾む印象・春の訪れ」を表現していることは、世界の多くの人々と共有することができる(出所:『配色アイデア手帖 日本の美しい色と言葉』)
(出所:『配色アイデア手帖 日本の美しい色と言葉』)
このページで紹介している9つの色名のうち7つが植物由来のもの。「珊瑚色(さんごいろ)」と「乳白色(にゅうはくしょく)」が例外で、乳白色は近代になってから使われるようになった新しい色名の1つ(出所:『配色アイデア手帖 日本の美しい色と言葉』)
(出所:『配色アイデア手帖 日本の美しい色と言葉』)
平安時代に「色の中の色・最上の色」とされたのは紫で、「濃色(こきいろ)」と言えば紫の濃い色を指した。「薄色(うすいろ)」も同様に、紫の薄い色のことであった。⑦の「煤竹色(すすたけいろ)」は、煤けて黒くなった竹を表す色名。ここでもまた、竹の色のバリエーションが登場する(出所:『配色アイデア手帖 日本の美しい色と言葉』)
(出所:『配色アイデア手帖 日本の美しい色と言葉』)
平安時代の女房装束における、配色のしきたりを「かさね色目(かさねいろめ)」と言う。薄い絹の衣を2枚重ねて着用することで、表と裏の色が重なり合い、重なった部分に新たな色が見て取れるため、ここでは「2色配色プラスワン」と名づけて紹介する(出所:『配色アイデア手帖 日本の美しい色と言葉』)
(出所:『配色アイデア手帖 日本の美しい色と言葉』)
国宝の平等院・鳳凰堂の阿弥陀如来坐像からヒントを得た、繊細で温かな配色。冒頭で紹介した「季節の移り変わりとともに配色を変えたり、非常に繊細な色を使い分ける」ことは、日本人に共通する色彩感覚であると言える(出所:『配色アイデア手帖 日本の美しい色と言葉』)
(出所:『配色アイデア手帖 日本の美しい色と言葉』)
西洋風のゴールド・シルバーでなく、和風の金・銀を表現した配色。色相としては黄色系(①②)と青系(⑦⑧)でコントラストが強いが、そのほかの色をすべて無彩色にして、日本の美を表現している(出所:『配色アイデア手帖 日本の美しい色と言葉』)
(出所:『配色アイデア手帖 日本の美しい色と言葉』)
鮮やかな色のオンパレードでありながら、白・黒をうまく使うことで和の雰囲気にまとめた配色。花札の色に着想を得て9つの色を制作したが、どの色とどの色を組み合わせても配色として美しくまとまるよう、多少のアレンジを加えている(出所:『配色アイデア手帖 日本の美しい色と言葉』)
日本政策投資銀行(DBJ)と日本交通公社(JTBF)による最新の共同調査(2022年10月26日発表)によると、…