最適な仕事のあり方を模索する人に伝えたい新説 考え、動き、耳を傾け、机上の空論で終わらせない

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では、そのためにはどうしたらいいのだろう? 本書には、この問いに対する答えとなりうる4段階のプロセスが「リデザインの『4段階のプロセス』」として示されている。それぞれを確認してみることにしよう。

① 理解する
<あなたの会社では、どのようなスキルや人的ネットワーク、職種が生産性を向上させるために重要なのか。社内の知識の流れはどうなっているのか。社員は仕事と会社になにを求めているのか。人々は生涯を通じてどのような職業人生を経験するのか。(35〜36ページより)>

「活力」「集中」「連携」「協力」

新たな働き方をデザインするプロセスの出発点は、社内のさまざまな職種、自社で生産性を生み出すために求められる能力、社員のニーズと体験、社内の人的ネットワークと知識の流れを深く理解することだと著者は主張する。ほとんどの職種においては、生産性の土台を成す要素が4つあり、自社の状況についてそれら4つのテーマを検討する必要があるのだとも。

「活力」「集中」「連携」「協力」がそれにあたる。

まずは「活力」。当然のことながら多くの職には、ほかの人と関わる際にエネルギーが必要となる業務が含まれる。たとえば、納期の厳しいプロジェクトチームで取り組んだり、高い集中力をもって密度濃く話し合ったりするなどだ。

だとすれば、必然的に活力とエネルギーが必要とされる。エネルギーが不足していると、会議で集中力が途切れたり、仕事を納期に間に合わせることができなかったりという事態につながりかねないからだ。そうなってしまうと生産性の維持は困難になり、覇気も失われることになりかねない。

次に「集中」。集中が不可欠な業務も少なくないため、それらに取り組む際には認知能力を高いレベルで機能させなければならない。そしてそのためには、「脳の休息」も不可欠である。

「連携」もまた、大切な要素だ。私たちが実行する課題の多くは、ほかの人たちとの有効な連携を通じて成し遂げられることが多いからである。連携がうまくいっていれば、各人が円滑に協調し合い、共通の目標に向けて効率的に行動できるわけだ。

そして「協力」。複数人と一緒にアイデアや問題解決策を考案することが求められる業務もあるので、それらに取り組む際には、高い参加意識を持ち、アイデアを仲間と共有する必要があるということ。協力し合うことで異なる視点と知識が組み合わさるため、創造的かつ革新的なアイデアを生み出せる可能性が出てくるのである。

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