最適な仕事のあり方を模索する人に伝えたい新説 考え、動き、耳を傾け、机上の空論で終わらせない

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<最適な仕事のあり方を設計する。オフィスを協力の場と位置づけ、社員同士が会話を交わし、人と人が偶然出くわす機会をつくってもいいだろう。あるいは、それぞれの社員の自宅を健康と活力の源と位置づけてもいい。勤務時間のあり方を工夫することにより、集中と調整を促進してもいい。(36ページより)>

社内にどんな職種があり、どんな人的ネットワークがつくられていて、どんな人たちが働いているかは、会社によって異なる。したがって、自社に適した働き方のデザインを見つけることが重要なのだ。

「働く場所」と「働く時間」の重要性

こうした考え方に基づき、著者はここで「働く場所」と「働く時間」の重要性に焦点を当てている。

2020年まで、企業で働く知的労働者が在宅勤務をするというケースは比較的珍しかった。そして“私的なスペース(自宅)”から切り離され、効率的に業務を行うために必要なオフィス家具やテクノロジーを完備したオフィスは、ひとつの目的を共有する人たちが集う場だった。

いうまでもなくその目的とは「仕事をする」ことだ。しかしコロナ禍で働き方が大きく変わり、一部の人は私的なスペースで働くようになったのである。

またパンデミックを経験した結果、時間に対する考え方も大きく変わった。

自宅で働く人が増え、人々はそれまで通勤にあてていた時間をどう活用するかを考えるようになった。もちろん好ましい面ばかりではなく、プライベートの確保の仕方、家族との距離感、健康問題などが割り込んでくるようにもなったわけだが。

そのため、場合によっては生産性に対してプラスの影響だけでなく、マイナスの影響が及ぶ場合もあるということを踏まえたうえで、“働く場所と時間の選択肢をどのように組み合わせるのが最善なのか”を考える必要があるのだ。

<人々は自宅で働くことのどのような点を好ましいと感じているのか。この点を再確認し、理解を深めておくといい。(中略)
自宅で働くようになれば、社員の活力が大幅に高まる可能性がある。しかし、実際に社員の活力を高めるためには、経験から学ぶことに加えて、意識的にさまざまな手法やプロセスを導入する必要がある。それを怠れば、在宅勤務(実質的にはテクノロジーを活用したバーチャルワークだ)は成功しない。(138〜139ページより)>
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