仕事のリデザインを行う最大の眼目は、行動することによって新しいものをつくり出すこと。そして、その段階で大きな役割を果たせるのがマネジャーだ。よいマネジャーとは“人と人とを結びつける役割”を果たせる人たちであり、したがってその役割はきわめて大きいのだ。
だからこそマネジャーは、業務の流れをマネジメントし、メンバーがどこで働くかという方針を示し、メンバーが集中して仕事に取り組む時間を確保しなければならない。さまざまな方面に気を配り、社員間の公平性も考慮し、社員の尊厳を大切にする役割をも担う必要があるのだ。
言い換えれば、仕事のあり方を再設計するにあたり、優れたマネジャーの存在は不可欠なのである。だが問題は、マネジャーの役割の重要性が高まる一方で、マネジャーの仕事の設計やマネジャーへのサポート体制が追いついていないということだ。
そういった状況が解消されない限り、マネジャーは新しい働き方の導入に伴う大きな変化を後押しできない。そこで、マネジャー職の構造を見なおす必要があるのだ。たとえば、「業務スケジュールの管理を担う職」と「人間に関わる課題を担う職」にマネジャー職を分割してみるなど。
それは従来のマネジャーについての常識にはあてはまらないかもしれないが、新しい働き方を模索すべき時期だからこそ、そういったところについても改めて考えてみるべきなのかもしれない。
いま、求められているもの
以上、概要をざっとご紹介してきたが、著者によればこれら4つのステップは必ずしも1~4という順序で進めなければいけないわけではないようだ。実際には、どのステップから始めてもいいということ。
たとえば、仕事のあり方を新たに構想するステップからスタートし、そのあとで社内の職種や社員、人的ネットワークについて理解を深めるステップに移行するのもひとつの手段かもしれない。
つまり、順序を守ることよりも、行動することのほうが重要なのだ。新たなアイデアを考え、それを実践によって試し、新しい考え方にも耳を傾ける。そして、机上の空論で終わらせるのではなく、実際に新しいものを生み出し、それを実行に移すこと。それこそが、いま求められているもの、求められるべきものだということなのだろう。
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