最適な仕事のあり方を模索する人に伝えたい新説 考え、動き、耳を傾け、机上の空論で終わらせない

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ビジネス 働く男女
いまある現実を受け入れ、「そこからどう進んでいくべきか」を考え、行動することこそが重要だ(写真:Graphs/PIXTA)

「教育」「勤労」「引退」という“大多数の人たちと同じコース”に沿って生きればなんとかなった時代は、もはや遠い過去。いまや、「誰もが100年生きうる時代をどう生き抜くか」について考えるフェーズとなっている――。

ロンドン・ビジネス・スクール経営学教授であるリンダ・グラットン氏は、アンドリュー・スコットとの共著『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』(東洋経済新報社)にこうしたメッセージを込めた。それは多くの人々にインパクトを投げかけることとなり、「人生100年時代」というキーワードも広く浸透した。

だが、それを踏まえたうえでいま直視すべきは、時間の経過とさらなる社会の変化だ。なにしろ『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』が発売されたのは2016年、すなわち6年前のことなのである。

しかもその4年後に、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)が起こった。そのためすべてが一変し、これまでの“常識”はさらに無用なものとなった。

「新しい働き方」へ

だが、そんなタイミングで新刊『リデザイン・ワーク 新しい働き方』(リンダ・グラットン 著、池村千秋 訳、東洋経済新報社)を送り出してきたグラットン氏は、必ずしも現状を悲観的に見ているわけではない。

物事にはさまざまな見方・考え方があるわけで、むしろ悲観的にも見える現状をポジティブに受け止めようとしているのだ。

<社会全体がパンデミックを経験したことにより、私たちが仕事と職業生活になにを望むのかを考え直す千載一遇の好機が訪れた。コロナ禍は、ものごとの根本的な前提の多くを問い直し、新しい行動パターンを採用し、どのように仕事をおこなうかについて新しい物語を紡ぎ出すきっかけになったのだ。(「はじめに 人も組織も、いますぐ変わるべきこと、変わらないこと」より)>

これは非常に共感できる考え方だ。いまある現実を受け入れ、「そこからどう進んでいくべきか」を考え、行動することこそが重要なのだから。

とはいえ、コロナ前の働き方をこれからも続けていけばいいというわけではない。それどころか、ケーススタディのたぐいはもう通用しない可能性のほうが高い。

そこで、まずは自分にとって最適な「これからの生き方」について考え、そこから地続きになっている「仕事のあり方」をリデザイン(再設計)し、仕事をより有意義で生産的なものにしていく必要があるのだ。しかもその働き方は、これまで以上に機敏で柔軟性の高いものでなければならないだろう。

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