シンクタンクイベントは結論ありきのディスカッション
塩野:ところで前回から名前の出ている、イギリスのシンクタンクのチャタムハウス(王立国際問題研究所)と、佐藤さんが働く米国のブルッキングスとでは、けっこう違いがあるんですか。
佐藤:私はこの前初めてチャタムハウスで開かれた会合に出て、両者の違いをまざまざと感じました。まず出席者が違いますね。チャタムハウスにやってくるのは2日で7万円という参加料を払える人ばかりなので、それなりに身なりがいい。
姿勢も単にお話を聞きに来たという感じではなく、自分も言いたいことがあるという前のめりな感じです。もうひとつの違いは、シンクタンク側の事前準備の有無です。実は米国のシンクタンクが開くパブリックイベントでは、「ディスカッションガイド」というものを事前に作っていて、結論が最初から作り込んであるんですよ。
塩野:なるほど。筋立てがある。
佐藤:ドラマというと、言いすぎですけど、事前に「こういうことを発信したいんだ」というすり合わせをしています。最後はそれがニュースソースに乗る。それがブルッキングスのスタイルです。チャタムハウスはそういう感じではなく、真剣に政治に関心を持つ市民が偉い人たちと会って、一から議論する場だと感じました。
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