前編はこちら→ 「100年に1人の逸材」棚橋弘至のキャリア論
照れずに売り込め!
塩野:棚橋選手は無名だった時代、有名になるためにどんなことを心掛けていたんですか。プロレスのトレーニングはもちろんですけど、その他に。
棚橋:自分の名前を売るには、いろんな人とコミュニケーションをとる能力が大事だと思います。何かで自分のことを知ってくれた人が、ふとしたときに助け舟を出してくれたり、「オレ、あいつ知ってるよ。応援してみようか」と思ってくれる。だからいかに自分を売り込めるか。特に売り込みという作業をしなくても、積極的にあいさつするだけで、「あの元気のいいやつ誰だ?」ということになる。
できれば初めて会った方とは、あいさつだけで済ませるのではなくて、一歩踏み込んで、何かちょっと話をするといいですね。僕は新幹線の岡山駅で水道橋博士さんに偶然お会いしたことがあります。もともとプロレス好きな方だと聞いていたので、「初めまして、新日本プロレスの棚橋です」といきなりあいさつに行ったんですよ。そうしたら後日、水道橋博士さんのメルマガか何かに、「棚橋さんがわざわざあいさつしに来てくれました」と書いてくれたんです。
そこに博士が「出会いに照れるな」という言葉を書かれていたのですが、まさに照れていると一歩踏み込めないんです。照れずに一歩踏み込んで、なにか話をすると、相手の記憶にも残る。その方が何か仕事を抱えたときに「じゃあ、あいつに振ってみよう」と思うかもしれないし、自分が困ったときも誰か助けてくれたりする。仕事というのは、そういう人とのつながりで成り立っていると思うんですよ。だからまわりの人間につねにちょっかいをかけておくと、いい意味で 有名になっていけるんじゃないかな。
塩野:「出会いに照れるな」はすごくいい言葉ですね。確かにちょっかいをかけられると、かわいい奴だな、と思いますね。「棚橋だったらなんかしてくれるんじゃないか」というまわりの記憶が大事だともおっしゃっていましたね。
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