「英語は決まり文句が8割」を意識すると上達する データ分析で英語の決まり文句の重要性が浮上
文法ルールに従わない表現も多い
「英語学習」と聞くと、何をイメージしますか? 多くの方が英単語と文法の学習を思い浮かべるのではないでしょうか。
スマートフォン(スマホ)が普及した現在でも、電車の中で英単語帳や文法書を広げている学習者を見ることは珍しくありません。大学受験のために多くの英単語を覚えたり、「仮定法過去完了」や「分詞構文」などの文法事項と格闘した苦い記憶をお持ちの方も多いでしょう。英会話スクールでは会話が重視されるイメージがありますが、実際には単語や文法を口頭で練習しているだけというケースも珍しくないようです。
英語を身につけるうえで、文法と単語の知識が重要なのは言うまでもありません。文法とは複数のスロット(穴)が開いた文の骨組みであり、そのスロットに様々な単語を入れて肉付けすることで、無限に文を生成できます。
例えば、第2文型(SVC)は、主語にI / we / he、補語にhappy / sad / hungryなどの単語を入れることで、
など、無数の文を生み出せます。
「文法と単語を組み合わせることで、様々な文を生み出せる」という主張は間違ってはいませんが、実際の話し言葉や書き言葉では、文法ルールにのっとって一から文を組み立てるのではなく、2語以上のまとまりで特定の意味を持つ「定型表現 (formulaic sequences)」をつなぎ合わせることが多いと指摘されています。
例えば、ある人の年齢をききたい時に、どのような表現を使えば良いでしょうか? 文法的には、以下のいずれも可能です。
⑴~⑸の文はいずれも文法的に正しく、意味内容も同じです。そのため、「英語話者は文法と単語を自由に組み合わせて、様々な文を生み出している」という考えが正しいのであれば、いずれの文章も広く使われているはずです。しかし、実際に使用されるのは⑴のみで、⑵~⑸の文を耳にすることはありません。なぜ、自然なのは⑴のみで、それ以外は決して使われないのでしょうか?
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