大学入学共通テスト「英語」が問う思考力の正体 これまでの勉強法を変える必要はあるか?
“思考力”の定義は抽象的すぎる
今年度より大学入試センター試験は「大学入学共通テスト」(以下、「共通テスト」)と名を変え、“思考力”を問う問題などを柱に、新傾向の問題が出題されます。どうも独り歩きしている印象のある“思考力”という言葉ですが、その定義は、科目によってもそれぞれ違うことでしょう。
一般的に、英語においての思考力とは、「英文の内容をすばやく把握して、要領よく情報を整理する力」とされているかと思います。たしかに、間違いではないかもしれませんが、それって突き詰めると結局、「よく考えましょう」「頑張りましょう」という言葉と変わりないですよね。つまり、あまりにも抽象的で、だからこそ皆さんが「どう対策すればいいかわからない」と困っているのだと思います。
ですから、ここでは、英語の共通テストにおける“思考力”の正体とはいったい何なのかを、さらに掘り下げていきましょう。
共通テストの試験内容や運営の準備に役立てるため、高校2・3年生を対象に、2回にわたる試行調査(プレテスト)が実施されましたが、そのプレテストをもとに本番の試験問題も作られるようですので、このプレテストと、以前のセンター試験とを比較し、その違いを見ながら“思考力”について考えていきましょう。
まず、プレテストのリーディング問題では、これまでのセンター試験とは異なり、設問はすべて英語での表記となりました。また、従来出題されていた“発音・アクセント”や“語句整序”の問題はなくなりました。
代わりに、資料(広告・予定表・パンフレット・ホームページなど)が1つ提示され、そこから必要な情報を読み取るものなど新傾向のビジュアル問題が出題されていました。
ですが、これは見た目が変わっただけ。大学入試システムが変わったからといって英語そのものは変わらないですから、学ぶこと、問われることは、これまでと同じです。出題形式の見た目を変えるということは以前のセンター試験でもよく行われてきたことですから、それほど恐れるものではありません。
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