2020年の入試も受験生の「安全志向」が際立つ入試だった。
翌年に大学入学共通テスト控え安全志向高まる
背景にあるのは入試改革の迷走だ。来年からセンター試験が大学入学共通テストに変わり、「英語民間試験の成績利用」と「数学と国語の記述式問題」が加わることが決まっていた。今年浪人すると受験生は新たにこの2つの対策が必要となり負担が重い。そのため安全志向が高まり、確実に合格できる大学を目指す傾向が強まった。
2019年11~12月になって改革の目玉だった英語民間試験と記述式問題の見送りが発表されたが、遅すぎた。11月はすでに志望校を決め、過去問に取り組む時期だったからだ。安全志向・現役志向の流れは変わらず、チャレンジ校より滑り止め校を多く受けたと思われる。
難関国公立大学の大幅な志願者減はこの傾向を端的に表している。
最後となった大学入試センター試験の志願者は55万7699人で前年に比べ3.3%減。これはセンター試験史上最大の減少だった。そのうえ、今年は5教科7科目の平均点が文系理系ともに昨年に比べて20点前後のダウンとなった。これを受けて国公立大志願者は全体で6.4%減。難関国立大の旧7帝大(北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学)に加え、東京工業大学、一橋大学はすべて志願者減だった。この9大学の志願者がそろって減るのは、過去40年間に一度もなかった。
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