コロナで「退学者が出る大学と出ない大学」の差

困窮学生を救いたい大学の厳しい懐事情とは

芝浦工業大学では「コロナによる退学者を1人も出さない」を合言葉に、学生の経済的支援を実施するための募金活動を開始した(撮影:梅谷修司)

「大学に入学したことを後悔している。両親も僕も収入が減ったのに支出は変わらない」「僕の学費が家計を圧迫している」「アルバイトで授業料を払ってきたが、今は収入がまったくない」「オンライン授業なのに学費が減額されない」

全国大学生活協同組合連合会は5月1日、「緊急!大学生・院生向けアンケート」の結果速報を公表した。約5割の大学生がアルバイト収入の減少に悩み、7割弱がコロナウイルスの影響で将来に不安を感じている実態が明らかになった。自由記入欄には冒頭のような悲痛な声が数多く寄せられ、学費減額を切々と訴える記述が目立った。

4月22日には学生団体「高等教育無償化プロジェクトFREE」が記者会見を行い、アンケート調査からコロナ不況の影響で退学を考えている学生は13人にひとりと発表したが、8日後には約2割へ上方修正された。このアンケートの信憑性についての論評は避けるが、世論へのインパクトの大きさは否定できないだろう。

私は京都橘学園の理事長を務めているが、京都橘大学にも「このような状況で学費を支払う必要があるのか?」「留学期間が短縮されているのに学費を同じように払うのはおかしい」「看護師などの資格が取れなくなったら学費は返還されるのか」などの質問や要望が寄せられている。全国の大学でも同じような質問や問い合わせの対応に追われているのではないだろうか。

大学は学費を返還できるのか

多くの大学はホームページで学費を返せないことを説明している。学費は学生に4年間教育を提供し、学生はその引き換えに学位を取得する契約料であり、4年分割で納入してもらっている仕組みとなっている。

たとえキャンパスへの入構を禁止していても、施設維持の費用はかかるし、オンライン授業でさらに支出は発生している。しかし収入が減っている学生や保護者にとっては、その事実を受け入れられない実態や思いがある。

そうした問い合わせ対応のためだろうか、明治学院大学や神奈川大学、立教大学、立命館大学など複数が、オンライン環境の整備費や修学支援金などの名目で学生に現金を一律支給すると発表した。京都芸術大学のように納入済みの施設・整備費の一部を返金したところもある。これは学生が使用できる施設面積割合で算出したという。

一方で早稲田大学は「困窮する学生」のみを対象に支援することを学長が表明。慶應義塾大学も通信環境整備が困難な者にのみ整備費用を拠出している。

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