この春、大学のキャンパスの風景が一変した。
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、ほとんどの大学が入構を禁止し、オンライン講義に切り替えたからだ。対面の講義とは異なり、学生の反応や理解度がつかみにくいオンラインで、どのようにして質の高い講義を行うか。今、教員たちはこの課題に直面している。
臨場感ある講義づくりに教員は試行錯誤
自宅のインターネット環境が十分ではない学生もいるため、データ通信量に負荷をかけないよう配慮しながら、臨場感ある講義を行おうと現場の教員は試行錯誤している。
オンライン講義は大きく3つに大別できる。①ウェブ会議システムを使った「リアルタイム型」、②授業を動画で作成し、蓄積したファイルを学生が都合のよいときに見る「オンデマンド型」、③動画は使わずに登録した資料を学生が読み、レポートなどを提出する「資料配布型」だ。リアルタイム型の講義では「Zoom」や「Google Meet」がよく使われている。
東北大学は、4月20日に試験的にオンライン講義をスタート、大型連休後の5月7日から本格的な講義を行っている。学部、大学院合わせて学生数約1万8000人が1学期(前期)に履修する約4000科目をオンライン講義に切り替えた。
本格的な講義が始まって約1週間がたった5月15日、同大はオンライン講義のノウハウや課題を共有しようと、学内向けのオンラインシンポジウムを開いた。教員約400人が参加したシンポジウムでは、教員がオンライン講義で突き当たった壁や、通信データ量をどう効率的に削減するかといったポイントが紹介された。
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